NY市場サマリー(30日)ドル下落、利回り低下 ナスダック1%超安

<為替> ドルが下落した。米商務省が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.3%増と速報値の1.6%増から下方改定され、2022年第2・四半期以来の低水準となった。

マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「これは間違いなくFRBが期待していた内容であり、全ての数字が予想を下回ったことでFRBへのプレッシャーはいくらか軽減されるだろう」と述べた。

主要通貨に対するドル指数は0.37%安の104.74となった。

年内後半の利下げの動向を見極める手がかりとして、31日発表の米個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。

マネーコープの北米ストラクチャリング責任者、ユージン・エプスタイン氏は、PCEは「今日発表されたGDPの内容よりも、若干大きな影響を与える可能性がある」と述べた。

ドル/円は0.53%安の156.805円。前日は1カ月ぶりの高値となる157.72円を付けた。

サクソバンクグループのFX戦略責任者 チャル・チャナナ氏は「政府・日銀は5月1日にこの水準付近で介入に踏み切っており、市場は現在158円を介入の防衛ラインとみている」と述べた。

ユーロは0.3%高の1.083ドル。英ポンドは0.26%高の1.2734ドルとなった。

29日に発表されたドイツの5月の消費者物価指数(CPI)速報値に続き、31日にはユーロ圏消費者物価指数(HICP)が発表される予定。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.28%高の6万8940.33ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが低下した。軟調な消費支出を反映し第1・四半期の米経済成長率が下方改定されたことを受け、FRBに年内の利下げ余地があると示唆された。

商務省発表の第1・四半期GDP改定値は年率換算で前期比1.3%増と、速報値の1.6%増から下方改定。FRBが物価の目安として注視するコア個人消費支出(PCE)指数は3.6%上昇と、3.7%上昇から下方改定された。

クレジットサイツ(ノースカロライナ州シャーロット)のシニアストラテジスト、ザカリー・グリフィス氏は「インフレ抑制の面でFRBのためになる」と述べた。

このほかの米経済指標では、5月25日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が前週比3000件増の21万9000件。

全米リアルター協会(NAR)発表の4月の中古住宅販売仮契約指数が前月比7.7%低下の72.3。2021年2月以来約3年ぶりの大幅低下となった。

これらの経済指標の発表を受け、米金利先物は年内に1回の0.25%ポイントの利下げが実施されるとの予想を織り込む水準にある。利下げが実施される時期の見通しは11月。

ブリン・マウアー・トラストの債券担当ディレクター、ジム・バーンズ氏は、FRBはインフレ率が2%に近づいているという確信を取り戻す必要があるが、そのために年内に多くの時間は残されていないと指摘。「今年の緩和サイクルは浅いものになる」とし、年内の利下げ回数は1回になるとの見方を示した。

終盤の取引で10年債利回りは6.8ベーシスポイント(bp)低下の4.556%。

30年債利回りは5.8bp低下の4.685%。

2年債利回りは5.4bp低下の4.931%。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス37.5bp。前日はマイナス36.5bpだった。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 続落して取引を終えた。米顧客管理ソフト大手セールスフォースが前日発表した業績予想が嫌気され、テクノロジー株が下げを主導。ナスダック総合は1%超下落した。

セールスフォースは19.7%の大幅安。29日発表した第2・四半期(5―7月)売上高・利益見通しは、いずれも市場予想に届かなかった。

S&P総合500種の主要セクターでは情報技術が2.5%安と下落率が最大だった。通信サービスも1.1%下落した。

この日発表された第1・四半期GDP改定値は年率換算で前期比1.3%増と、速報値の1.6%増から下方改定された。小売売上高と設備投資の軟化を反映した。

ネーションワイドの投資調査責任者マーク・ハケット氏は「通常、GDPが下方改定されれば景気が減速し、FRBの仕事が終わって利下げが可能になることを示すため、市場は上昇するはずだが、きょうの反応はそうなっていない」と指摘。

その上で、過去6週間にわたって上昇してきたことを踏まえると健全だとし、当面はある程度の調整や横ばいの動きが見込まれると述べた。

IT大手のHPは17%急伸。四半期売上高が予想を上回った。

電気自動車(EV)大手テスラは1.5%上昇。高度な運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」ソフトウエアを今年展開する計画に向けて、中国当局への登録準備を進めているというロイター報道が材料視された。

四半期利益が予想を上回った家電量販大手ベストバイも13.4%急伸した。一方、通期売上高・利益見通しを引き下げた百貨店コールズは22.9%安となった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米長期金利の低下やドル安などが支援材料となり、小幅上伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比2.40ドル(0.10%)高の1オンス=2366.50ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 石油製品在庫の予想外の増加を嫌気した売りが膨らみ、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.32ドル(1.67%)安の1バレル=77.91ドル。8月物は1.26ドル安の77.54ドルだった。

翌31日に米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を控え、米国株や原油先物などリスク資産の手じまい売りが先行。

米エネルギー情報局(EIA)が午前に公表した週報は強弱まちまちの内容。原油在庫は420万バレル減と、市場予想の200万バレル減を大幅に上回る取り崩し。一方、ガソリン在庫は200万バレル増(予想50万バレル減)、ディスティレート(留出油)は250万バレル増(同20万バレル減)と、予想に反して積み増しとなった。夏場のドライブシーズンを前に、製油所稼働率が上昇したにもかかわらず、ガソリンやディーゼルの需要が鈍いことを示す結果に失望感が広がり、昼ごろからは一段と売りが加速した。

市場はこのほか、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国が6月2日に開く会合の行方にも注目している。同会合では7月以降の生産方針に関する協議が行われる見通し。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 156.81/156.

84

始値 156.91

高値 156.92

安値 156.38

ユーロ/ドル NY終値 1.0832/1.08

34

始値 1.0815

高値 1.0844

安値 1.0813

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*02.0 4.6834

0 %

前営業日終値 98*03.5 4.7440

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*19.5 4.5500

0 %

前営業日終値 98*01.0 4.6240

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.2 4.5689

5 %

前営業日終値 99*12.0 4.6420

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*28.8 4.9269

8 %

前営業日終値 99*25.3 4.9850

8 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 38111.48 -330.06 -0.86

前営業日終値 38441.54

ナスダック総合 16737.08 -183.50 -1.08

前営業日終値 16920.58

S&P総合500種 5235.48 -31.47 -0.60

前営業日終値 5266.95

COMEX金 8月限 2366.5 +2.4

前営業日終値 2364.1

COMEX銀 7月限 3153.4 ‐83.9

前営業日終値 3237.3

北海ブレント 7月限 81.86 ‐1.74

前営業日終値 83.60

米WTI先物 7月限 77.91 ‐1.32

前営業日終値 79.23

CRB商品指数 292.9951 ‐4.6359

前営業日終値 297.6310

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