海保巡視船「やしま」が佐伯市に寄港 災害に備え、市や防災士らと連携の在り方協議【大分県】

佐伯市に寄港した巡視船「やしま」=女島岸壁
巡視船「やしま」内で、防災について話し合う防災士の西山隆さん(右)と本山祐一船長=25日午前、佐伯市
巡視船「やしま」を見学する佐伯市内の防災ボランティアら

 【佐伯】福岡海上保安部所属の巡視船「やしま」(全長130メートル、5300トン)が5月下旬、佐伯市の女島岸壁に寄港した。災害の発生に備え、市内の関係機関との連携強化が目的。意見交換や防災関係者向けの船内見学会を開き、官民のつながりを深めた。

 やしまは2機のヘリコプターを搭載でき、大分など北部九州4県と山口県西部を管轄する第7管区海上保安本部(本部・北九州市)で最大の巡視船。300キロリットルの給水が可能で、大人数の入浴や宿泊にも対応する。東日本大震災で生活物資の輸送や行方不明者の捜索に当たるなど、災害支援でも力を発揮している。

 3日間の日程で寄港。佐伯海上保安署とともに、市や市消防、警察などと防災のための組織連携の在り方を協議した。

 見学会には市内の防災ボランティアや佐伯海洋少年団のメンバーら24人が参加。船の概要などの説明を受けた後、2班に分かれてヘリポートや操舵室を見て回った。

 本山祐一船長らとの意見交換会もあり、防災士の西山隆さん=同市鶴岡町=ら3人が出席した。市内の官民でつくる防災組織「マンボウ会」の取り組みを紹介し、被災地を支援した体験や減災・防災に向けた心構えを語り合った。

 本山船長は「地元の人の視点を共有する有意義な機会を持てた」。西山さんは「災害時は役割の違う組織のネットワークが重要になる。今後も横のつながりをどんどん広げたい」と述べた。

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