枯死した白神山地の象徴・マザーツリー、伐採せず現状保存 「朽ちていくさまを環境教育に」

枯死したマザーツリーを眺める入山者。周囲には規制線が張られていた=30日午後0時半ごろ

 枯死したことが分かった世界自然遺産・白神山地のマザーツリーの活用法について、津軽森林管理署(青森県弘前市)と西目屋村は30日、ありのままの自然を見てもらうため、手をつけずにこのまま保存していく方針を示した。

 同管理署の担当者は「ツリーが徐々に朽ちていくさまを見てもらうことが環境教育となる。村など関係団体と協議して保存を決めた」と話す。

 西目屋村の担当者は「自然の流れに任せる方針。あえて切るなどする必要はない」とした。

 30日、津軽峠(西目屋村)の駐車場から300メートルほど離れたマザーツリーの周囲には、倒木の危険があるため規制線が張られていた。

 初めてマザーツリーを見たという平川市の60代男性は「あそこまで大きく育ったのに枯れてしまってとても残念」と語った。

 仲間と3人で津軽峠を訪れた弘前市の70代男性は「枯れても手をつけず、そのままにするのが良いのではないか。白神にはほかにも倒れた大木がある。自然のありのままを残すべきだ」と語った。

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