漫画家と出版社/テレビ局間の契約実態、4人に1人が著作権譲渡など「厳しい条件」

フリーランスのための調査を専門に行う一般社団法人 日本フリーランスリーグが、6月4日(火)13時から厚生労働省記者クラブで記者発表会を開催。

漫画家とイラストレーターの権利と出版社・TVなどメディアの対応について、調査結果の詳細を公表する。

今回、同団体は、国内でフリーランスとして働く漫画家とイラストレーター570人を対象に、出版社やテレビ局と契約を締結する際に、どのような条件で契約を行ったのかを調査。

詳細は記者発表会で公表されるが、約4人に1人の割合で「フリーランス側に厳しい条件で契約を締結」している実態が明らかになったという(27.4%が「メディアに著作権を譲渡する」。23.3%が「メディアに対して著作者人格権を行使しない」と回答)

【調査概要】
調査期間:2024年4月22日~2024年5月8日
調査方法:インターネット上でのアンケート
対象職種:フリーランス(個人事業主)として漫画家・イラストレーターをされている方
回答者数:570人
協力団体:一般社団法人 東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)※アンケート作成・集計・分析 紀尾井町戦略研究所株式会社 調査チーム

『セクシー田中さん』芦原妃名子の逝去にも言及

日本フリーランスリーグは、漫画家・イラストレーターと、出版社やテレビ局などの間で、著作権や著作者人格権の取り扱い、およびこれらを含めた契約書に起因したトラブルが報告されていると現状を説明。

漫画家・芦原妃名子さんが『セクシー田中さん』のドラマ化をめぐる問題を受けて亡くなった件に触れ、「現時点で調査結果が公開されておらず、契約書の有無も、一連の経緯のなかで、原作者の著作者人格権、同一性保持権がどのように扱われていたのか不透明なままです」と言及している。

また、「韓国では国が文化芸能芸術分野のフリーランス向けに88種の標準契約書を用意し、報酬や著作権について、フリーランス側の権利を保護する明確な規範を提示しています」とコメント。

こうした取り組みと日本の現状を比較するために必要な実態が明らかになっていないとして、今回緊急で調査を行ったという。詳細な結果は6月4日の記者発表会で公表する。

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