ウォード、レンヒーフォ、アンダーソンはいずれも放出要員?...低迷エンジェルスはトレード・デッドラインで「売り手」に回る可能性大<SLUGGER>

エンジェルスが今季も苦しんでいる。5月30日(現地)のヤンキース戦にも敗れ、ここ6試合で1勝5敗。シーズン通算では21勝35敗で地区最下位に沈んでいるばかりでなく、勝率.---はリーグ全体でもワースト2位という体たらくだ。

大谷翔平がドジャースへ去り、開幕直後は絶好調だったマイク・トラウトも故障で長期欠場中。飛躍を期待されたリード・デトマーズ、パトリック・サンドバル、グリフィン・キャニングの先発トリオが揃って不振に陥っていて、今後劇的に状況が改善する見込みも低い。

これを受け、現地のファンやメディアの間では早くも7月30日のトレード・デッドラインで「売り手に回るのでは?」との見方が広まっている。

そうなった場合、他球団から最も熱い視線を送られそうなのが、トラウトに代わって打線の主軸を務めるテイラー・ウォードだ。ここまでチーム最多の11本塁打を放ち、OPSも.810とまずまず。今オフFAとなる“レンタル”ではなく、26年オフまで保有できる点も獲得球団に取ってはメリットとなる。実際、ロナルド・アクーニャJr.が左膝前十字靭帯断裂でシーズン絶望となったブレーブスが獲得に動く可能性を予想する識者は少なくない。 その他、内外野複数のポジションをこなし、今季は打撃も好調なルイス・レンヒーフォも市場で人気を集めそうだ。内野の層が薄いヤンキース、マリナーズなどが触手を伸ばす可能性は十分あるだろう。技巧派ベテラン左腕のタイラー・アンダーソンも、先発投手陣に不安を抱えるジャイアンツ、ガーディアンズ、ブルワーズなどから引きはありそうだ。

昨季までは大谷がいることを理由に、なかなか再建に乗り出そうとしなかったエンジェルスだが、事ここに至っては決断を下さざるを得ないだろう。球界ワーストクラスのファーム組織を少しでも充実させ、少しでも早く再浮上を果たすためにも「再出発」を測るべきだろう。

構成●SLUGGER編集部

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