中国ブランドEV、インドネシアの若者に人気

中国ブランドEV、インドネシアの若者に人気

インドネシア西ジャワ州ブカシにある上汽通用五菱汽車の工場でラインオフした新エネ車「エアEV」。(2022年8月8日撮影、ブカシ=新華社記者/徐欽)

 【新華社ジャカルタ5月31日】インドネシアは世界4位の人口大国、東南アジア1位の経済大国として、巨大で成長途上の消費者層を持つ。同国政府はここ数年、エネルギー構造転換と二酸化炭素(CO2)排出基準の達成に向けて、電気自動車(EV)の普及に力を入れており、街中でEVをよく見かけるようになった。上汽通用五菱汽車、奇瑞汽車、比亜迪(BYD)、哪吒汽車(Neta)などを代表とする中国の新エネルギー車(NEV)メーカーはここ数年、相次いで同国へ進出している。未来感に溢れたデザイン、全世界からの評価、高いコストパフォーマンスにより、中国EVは都市部住民、特に若者から高い人気を集めている。

 インドネシア自動車製造業者協会(GAIKINDO)のデータによると、今年4月の中国ブランドEVの販売台数は市場首位となり、うち上汽通用五菱の傘下ブランド「宝俊(BAOJUN)」のコンパクトカー「雲朶(Yunduo)」が1番人気の車種だった。奇瑞汽車のSUV(スポーツタイプ多目的車)「OMODA E5」、上汽通用五菱の小型EV「繽果(Binguo)」が続いた。

中国ブランドEV、インドネシアの若者に人気

広西チワン族自治区柳州市にある上汽通用五菱汽車の生産ラインで働く従業員。(5月9日撮影、柳州=新華社記者/金皓原)

 インドネシアのオラトマング駐中国大使は新華社の取材に応じ、「中国ブランドEVはインドネシアで人気が高く、ジャカルタでよく見かける。私の息子は奇瑞汽車のEVを1台購入した」と話した。

 中国自動車メーカーは相次いで海外に進出し、海外の消費者の選択肢を増やすだけでなく、産業の川上・川下部門の企業の海外進出も促し、現地自動車産業の発展にも寄与している。上汽通用五菱、奇瑞汽車、Netaなどは、いずれも現地生産を始めており、BYDも現地工場の建設に多額の資金を投じる予定だ。

 GAIKINDOは、さらに多くのコスパの高い新型EVが出回るにつれ、現地のEV需要も引き続き高まるとの見方を示す。このほどジャカルタで開催されたEV展示会では、取引総額が4千億ルピア(1ルピア=約0.009円)に上った。

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