釈迦堂川「特定都市河川」指定で協議会発足 集中的に治水対策、予算を重点配分 福島

5年前の台風19号で、大きな被害が出た福島県の釈迦堂川が「特定都市河川」に指定され、治水対策などを話し合う協議会が発足しました。

須賀川市や白河市の市街地を流れる釈迦堂川は、2019年の台風19号で水が堤防を越え、須賀川市を中心に大きな被害が出ました。

浦部智弘アナウンサー「5年前の台風19号で大きな被害をもたらした釈迦堂川。その隣にある西川中央公園は改修工事が行われ、大雨が降った時はここに雨水を溜めることができます」

いま、周辺では、一時的に雨水を貯めることができる公園や、流れる量を増やす工事が進んでいます。

今年3月、釈迦堂川は県内で初めて、国の特定都市河川に指定され、治水対策のための予算が優先的に配分されることになりました。これを受け、治水対策について話し合う協議会が発足し、31日、初めての会合が開かれました。協議会には、国と県のほか、流域の市町村や専門家が参加し、堤防や水田に雨水を溜める田んぼダムの整備などについて話し合う予定です。

須賀川市・橋本克也市長「河川管理者や、各自治体の個々の取り組みだけでは十分とは言えない状況に至っていると感じる」

「特定都市河川」水害防止に予算を重点配分

「特定都市河川」に指定されると、国からの予算が優先的に配分され、洪水を防いだり、インフラを整備したりするのが、集中的に進むことになります。

福島県内では、釈迦堂川に加え、今年7月に郡山市の逢瀬川、谷田川も指定される予定です。いずれも、阿武隈川に合流していて、市街地を流れています。

釈迦堂川では、2019年の台風19号で水が堤防を越える「越水」が発生。須賀川市では1000棟を超える建物に被害がありました。今後は、雨水を貯める施設といったハード面の整備を急ぐほか、地元との協議を重ねて、水害への備えを重点的に進めることとなります。

計画の完了には、20年から30年かかるとみられていて、地元などから意見を募るパブリックコメントなども行われる予定です。ハード面だけでなく、地域の実状に合わせたソフト面も充実させることが期待されます。



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