「悪質業者に対する強力な武器必要」"全国一厳しい"盛土条例の行方巡り特別委 専門家は"国の法律と県条例の違い"主張=静岡県

静岡県の熱海土石流を教訓に施行された盛土規制条例をめぐり、改正なども視野に検証する静岡県議会の特別委員会が5月31日に開かれました。

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参考人として意見を述べた専門家は「悪質な業者に対する強力な武器が必要」として県条例の有効性を強調しました。

5月31日に開かれた特別委員会では国土交通省の盛り土の防災担当者や静岡産業大学の教授を参考人として招き、国の盛土規制法と静岡県独自の盛土規制条例の役割の違いなどを聞き取りました。

熱海土石流災害を受けて施行された“全国で最も厳しい”とされる県独自の条例をめぐっては、審査などの強化で工事の遅れや経済的負担を懸念する声が建設業界などから挙がっていました。

また、国の盛土規制法が施行されたことで「二重規制になる」という指摘もあります。

参考人として意見を述べた小泉教授は、国の法律と静岡県の条例では「災害の防止」という点で役割が一致するが「生活環境の保全」は県条例にしか規定がないと話します。

<静岡産業大学 小泉祐一郎教授>
「熱海土石流災害は単なる土砂災害ではなく汚染土壌の投棄や土捨てによって起こった環境問題でもあると。今の(県の)条例の生活環境の規制は必要じゃないかと申し上げました」

土石流の盛り土からは汚染物質が検出されていて、汚染土の処理費用だけで行政代執行に約6億円の費用がかかっています。

<静岡産業大学 小泉祐一郎教授>
「悪質な業者に対しては、やはり強力な武器を行政に与える必要がある」

<特別委員会 杉山盛雄委員長>
「県の優良業者に対してもそれなりにしっかりとした対応をしていかないとなかなか業務が進まない。そこの整合性は難しい部分もありますが何とか討議を重ねて決定していきたい」

杉山委員長は「条例の廃止や改正ありきの議論ではない」としています。

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