伊予鉄道と伊予鉄バス、また運賃値上げへ 5年で4度目 10月1日実施予定 物価高や人材確保などの経費増に対応 「持続可能な公共交通と輸送の安全を確保」

 伊予鉄道(愛媛県松山市)と伊予鉄バス(同)は31日、運賃の値上げを10月1日に実施する予定と発表した。郊外・市内(均一制)電車は各区間一律30円引き上げ、初乗り(最低運賃)は200円から230円になる。路線バスも各区間主に30円アップし、初乗りは220円から250円に変わる。キャッシュレス決済時は20円を割り引く。ここ5年での運賃引き上げは電車、バスともに4度目となる。

 両社は31日に運賃の上限変更認可を四国運輸局に申請。「物価高や人材確保、処遇改善に関する経費増に対応し、持続可能な公共交通と輸送の安全を確保する」と理由を説明した。

 定期は郊外電車で平均2.3%、市内電車で同5.0%、路線バスで1.6%の値上げ。松山観光港リムジンバスと特急バスも主に30円引き上げる。高速バスや松山空港リムジンバスは対象外。

 キャッシュレス決済の割引は「全国交通系ICカード(モバイルアプリ含む)」や伊予鉄グループが運営する「みきゃんアプリ」、「ICい~カード」(25年9月サービス終了予定)などが対象。グループ担当者は「現金の扱いにはコストがかかる。キャッシュレス化を大きく推進していきたい」と話した。

 シルバー定期に関し、10月から購入対象年齢を5歳引き上げ、80歳以上(運転免許返納で75歳以上)にすると発表。経過措置として1951年以前に生まれた人(今年、満年齢で73歳以上)も対象となる。

 バスで導入済みの精神障害者割引を来年4月から電車でも導入する。

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