北上駅前、ホテル立地が活況 ビジネス需要見込む、人員課題も

ホテル立地が活発化しているJR北上駅周辺。企業集積に伴う波及効果として注目される=北上市(本社ドローンで撮影)

 北上市のJR北上駅周辺でホテル立地が活発化している。半導体や自動車産業の集積に伴うビジネス需要を当て込み、昨年秋に地元資本が東口に開業したほか、西口には相鉄(そうてつ)グループがビジネスホテルを計画し、東横インは市内2店舗目の建設に着手した。一方で飲食部門を持つ施設は人員確保に苦労し、客室稼働率も落ち着いたことから「過当競争もあり得る」との指摘も。地元経済への波及効果は大きく、今後の行方が注目される。

 北上駅東口の広場。31日の新幹線改札口も出張のビジネスマンらが行き交った。月1回事業者支援で訪れる東京都目黒区のコンサルタント業、平手敦さん(53)は「繁華街が駅に近く、食事の選択肢が多い。新たなホテルも開業し予約を取りやすくなった」と歓迎した。

 東口に隣接する再開発エリアに昨年11月開業したさくらポート・ホテル(173室)は、奥州市や金ケ崎町の誘致企業のビジネス客も取り込む。稼働率は一段落しており、フロントスタッフの金野優実さん(30)は「女性に優しいコンセプトで幅広い客層を取り込みたい」と語る。

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