「世界を見据えて来ている」鈴木愛 9年間の成長を示す13位ターン

飛行機の上でゴルフをしているような…(撮影/村上航)

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 2日目(31日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)

9年前、このペンシルベニア州ランカスターCCで行われた「全米女子オープン」でメジャー初出場を果たした鈴木愛。当時、レギュラーツアーでは前年「日本女子プロゴルフ選手権」で挙げた1勝のみ。新進気鋭の若手だったころから、賞金女王を経験し、節目の20勝に到達して思い出の地に乗り込んできた。

スポットでの参戦に「委縮するところはやっぱりあります。地に足がついてないというか、自分が自分じゃないみたいで、ずっと飛行機の上でゴルフをしているような感じ」と日米での違いを語りつつ、明確な変化もある。「当時は“観光気分”でしたけど、今回はそういうつもりで来ていない。しっかり、世界を見据えてゴルフをしに来ている。しっかり自分で得た権利をムダにしたくない」と力強く言い切る。

硬く速くなったグリーンを相手に奮闘(撮影/村上航)

その気迫を体現するような2日間のプレーだ。2バーディ、2ボギーの「70」で回ったこの日も、「もう、カッチカチ」と表現するほど一段と硬く速くなったグリーンを相手に奮闘。手応え十分のショットが思わぬ方向にはじかれることがあっても、自分の中にある“基準”をブラさないことだけを心掛けたという。

「ボールがどこに行こうと、(フィーリングとして)いいショットをしたか、してないかっていうのは、やっぱりすごく大事だと思う。真っすぐ、自分のいい感覚で打てていないと、結局感覚がずれちゃう。(いい感覚で打てれば)あとは出たとこ勝負」

ラフに入れても落ち着きを見せた(撮影/村上航)

グリーンを外した時は、9年間の成長の見せどころだったりもする。「2015年に来た時は『もう、絶対にラフには入れたくない!』みたいな感じだった。いまはラフに入っても割と落ち着いていて、ショートゲームは9年前に比べて少しうまくなったかな」と控えめにうなずく。小技でしのぎ切れずにスコアを落としても、「自分だけじゃない。みんなボギーをたたいている」と自らに言い聞かせて気持ちを切らさなかった。

13位で週末へ(撮影/村上航)

首位と6打差の通算2オーバー13位に順位を上げて迎える決勝ラウンド。「最低4日間やりたい目標があった。あと2日間、徐々に難しくなっていくコースにアジャストしていけるように」とタフな週末は望むところだ。(ペンシルベニア州ランカスター/亀山泰宏)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン