ソウル国立大学、生物にヒントを得たドローンの足を開発。受動的に止まり、掴むための衝撃エネルギーの再利用

物体を把持する能力は、環境との相互作用を可能にすることで、ドローンの応用範囲を広げることが可能だ。

空中で把持を行うことの難しさは、ドローンの足とターゲットが衝突する確率が高いからだ。把持を成功させるためには、足が衝撃のエネルギーをスムーズに吸収すると同時に、短時間でターゲットと係合するのが必要だ。

ソウル国立大学の研究者らは、衝撃エネルギーによってのみ爪が作動する、生物に着想を得た受動的なダイナミックフットを発表した。

このグリッパーは、柔らかい腱を介して足首のリンクとツメの動きを連動させることで、衝撃エネルギーのスムーズな吸収とツメの高速な閉鎖という課題を同時に解決した。

研究者らは、衝撃のダイナミクスを研究し、腱の硬さを設計/制御パラメータとして使用することで、衝撃エネルギーのスムーズな再利用のためにグリッパーの機構を調整した。

開発したグリッパーは、コントローラや作動エネルギーを必要とせず、衝撃物体との最初の接触後45ms以内に閉じる。腱に取り付けられた電気粘着ロック機構は、閉じた状態に到達してから20ms以内に爪をロックする。

研究者らは、このグリッパーをドローンに組み込み、様々な受動的な動的パーチングと把持タスクを実行することで、その有効性を実証した。

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▶︎ソウル国立大学

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