「広まってほしい」「罰則ない条例はないのと同じ」「24時間禁止を」渋谷区「路上飲酒禁止条例」通年案に議論百出

2023年、渋谷のハロウィンの様子。徹底的な規制がおこなわれていた

渋谷駅周辺の路上飲酒制限が、さらに厳しくなるようだ。

東京都渋谷区は、ハロウィンや年越しカウントダウンなどで集まった若者や、自国では外飲みが禁止されている外国人らの飲酒トラブルが後を絶たないため、2019年、ハロウィンや年末年始に限り、路上や公園での夜間の飲酒を制限する条例を制定した。

しかし、最近ではイベントの有無にかかわらず、常態的に路上飲酒がおこなわれ、騒音問題やケンカで救急車が出動するなど、治安が悪化。大量のゴミが捨てられ、商店街の負担が重くなっていることから、路上飲酒の禁止を「通年の午後6時から翌朝午前5時」までに拡大し、禁止区域を広げる条例の改正案が、6月の区議会定例会に提出された。10月1日からの施行を目指すという。罰則などはない。

「これまで、区は民間業者にパトロールを委託して、注意喚起をおこなってきました。しかし長谷部健区長によると『ルール的には飲んでいいんでしょ』と言われてしまうことがあり、実効性があがらなくなっているそうです」(社会部記者)

この渋谷区の動きに、日本屈指の繁華街、歌舞伎町がある新宿区も、条例の制定を模索している。新宿区の吉住健一区長は2月2日の定例会見で、路上飲酒を禁止する条例の9月施行を検討していることを明らかにした。

「効果を高めるため、渋谷区と連携します。ハロウィンなどの時期に歌舞伎町周辺での路上飲酒を禁止。コンビニなどには酒類の販売自粛を要請することを考えています。渋谷区同様、罰則規定はもうけないようです」(同前)

この報道に、ニュースサイトのコメント欄には《これは広まってほしい 海外旅行客が口々に言うのが日本では公共の場でお酒が飲めて最高という声 おかげでハメを外した迷惑行為があちらこちらで横行しています》《渋谷区のケースをモデルとして、全国に波及して欲しいと思います》《紙巻タバコは火元があるので危険だったが、紙巻減った今、路上飲酒の方がどう考えても迷惑》など賛同の声がある一方で《渋谷がダメなら他で飲むだろう》《罰則のない条例はないのと同じです》など、効果を疑問視する声もあった。さらには、《24時間禁止の方が良いのでは?》という、極端な意見も。

長谷部区長は「飲むときはお店のなかで楽しんでほしい」とコメントしている。飲酒は、ルールとマナーを守ってほどほどに。

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