リモート勤務でリスクも サイバー攻撃、中小企業に 元刑事がネット犯罪講演 北部法人会総会 沖縄

北部法人会の経営者らを前にサイバーリスクやネット犯罪対策について講演する森雅人さん=5月28日、名護市のホテルゆがふいんおきなわ

 【名護】北部法人会(新垣力太会長)は5月28日夜、通常総会の開催を記念した講演会を名護市のホテル・ゆがふいんおきなわで開いた。元刑事で、一般社団法人日本刑事技術協会の森雅人さんが「サイバーリスク・ネット犯罪の手口と対策」との演題で講演した。

 森さんは、千葉県警で経済犯罪などを扱う生活安全部門の刑事を約15年間務め、サイバー犯罪などの捜査を担当してきた。警察では解決できないトラブルの多さ、法整備の遅れに疑問を感じて退職し、企業のリスク対策や講演活動を続けている。

 森さんは自身が担当した事件の事例を紹介しつつ、ネット上でのリスクについて「泥棒が狙う場所は一緒。鍵が開いている場所、(セキュリティー対策など)基本的なことを守っていない企業が狙われる」と指摘。サイバー攻撃が大企業から中小企業に移ってきていることや、コロナ禍を機に社外での勤務が増えていることで、リスクが高まり「個人が狙われる時代になっている」と述べた。

 企業の責任者が、社外で仕事をさせる場合は「改めて会社のセキュリティー環境を検証し、社外に出たパソコンまでカバーできるセキュリティーとなっているか確認してほしい」と話した。サイバー攻撃を受けて情報が流出した際に情報提供を拒否する「オプトアウト」の手続きや、身代金要求型攻撃「ランサムウエア」への対応など、実践的な方法を伝えた。

 (池田哲平)

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