柔道・男子団体 長崎日大10連覇 先鋒木村、流れ呼び込む 長崎県高総体

【柔道男子団体決勝、長崎日大-長崎南山】長崎日大の先鋒木村(下)が抑え込みに入る=諫早市小野体育館

 王者の底力を見せた。柔道男子団体決勝は、長崎日大が1月の全国選手権県予選決勝で敗れていた長崎南山に雪辱。副将大藤が引き分けて10連覇が決まった瞬間、松本監督は「よし、よし」と2度叫び、両拳を握った。
 選手権県予選は「自滅みたいな感じだった」(松本監督)。昨秋の県新人大会を制した後、九州新人大会も準V。優勝候補筆頭で臨んでいたが、決勝は先鋒木村が指導2を引き出しながら、かけ逃げで指導をもらって引き分け。チームは流れに乗れず、0-1で敗れて全国切符を逃した。
 この敗戦からチームは変わった。それまで決まっていなかった主将に、昨年から主力だった川口が「自分がやらないといけない」と立候補。まとめ役を買って出た。松本監督は練習メニューを自分たちで考えさせるようにした。「やり返す」。悔しさを胸に、一人一人が自覚を持ってチーム力を高めてきた。
 この日は「選手権は自分が引き分けて負けた」と責任を感じていた先鋒木村が意地を見せた。開始30秒。練習してきた技「ネルソン」で相手を抑え込んで一本勝ち。チームは勢いに乗った。次鋒川口も続いて2-0。中堅松本龍、副将大藤が長崎南山の二枚看板山田、赤木と引き分けて優勝を決めると、最後は大将松本大も勝って節目の優勝に花を添えた。
 昨年は「全国4強」を目標に掲げ、県高総体後の九州大会で県勢初Vをつかんだが、インターハイは初戦敗退。川口は「やっとスタートラインに立てた。九州、全国に焦点を当ててやっていく」。この夏、再びその目標に挑む。

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