浦頭岸壁にクルーズ船、初お目見え 新拠点が“開港” 佐世保への誘致促進、経済効果に期待

国際クルーズ船の新たな拠点となる浦頭岸壁に初寄港したコスタ・セレーナ=佐世保港

 長崎県佐世保市の浦頭地区に整備された浦頭岸壁に1日、国際クルーズ船が初寄港し、旅客ターミナル「佐世保クルーズセンター」が供用を開始した。記念イベントが開かれ、新たな拠点の“開港”を祝った。同市では今後、従来の三浦地区と併せた誘致促進、経済効果が期待される。
 同センターは世界最大のクルーズ会社「カーニバル社」、岸壁は国、駐車場などの周辺環境は市が整備し、一帯の施設は2020年に完成。コロナ禍で供用開始が遅れていたが、待望のクルーズ船受け入れがスタートした。同センターにはCIQ(税関、出入国管理、検疫)のほか免税店、観光案内所などを備えている。
 イタリア船籍のコスタ・セレーナ(11万4000トン)が早朝、岸壁に接岸。乗客は韓国人ら約1500人、乗員約1000人。同センターで関係者約150人が出席して式典があった。宮島大典市長とカーニバル社のジャン・スワーツ上席副社長、国土交通省港湾局の稲田雅裕局長があいさつ。コスタ・セレーナ前で市立針尾小の子どもたちも参加してテープカットをした。
 式後、宮島市長は「浦頭、三浦地区それぞれの特色を生かしながら誘致に努めたい。寄港地観光を充実させたい」と語った。
 同センター周辺には屋外広場「佐世保クルーズ・フェスティバル・ビレッジ」を整備中。江迎町の千灯籠を模した照明などが設置され「日本の文化」を演出する。この日は出店や音楽ステージなどが企画され、多くの市民らもイベントを満喫していた。
 市内の会社員、稲田京一郎さん(25)は妻と子どもの家族6人で来場。「いい空間。日本と外国の交流のために有効活用し、新たなスポットにしてほしい」と語った。
 コスタ・セレーナは1日夜、イルミネーションや花火などで見送られる中、出港した。浦頭地区への今後の寄港は、26日のアドラ・マジック・シティ(13万6000トン)など、7月までに3隻を予定している。

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