仕事や緊急時でも地方都市には夜間託児がない…「子育て世代が頼れる居場所に」 元地域おこし協力隊のMOMOカフェ3周年 志布志市志布志町志布志

親子連れや高齢者らのふれあいの場となっているMOMOカフェを開く川崎桃子さん(右)=志布志市志布志町志布志

 鹿児島県志布志市の地域・子育て支援サロン「MOMOカフェ」が3周年を迎えた。同市出身の元地域おこし協力隊員、川崎桃子さん(36)が子育て世帯の居場所づくりに取り組み、月平均110人が利用。2023年からは「オレンジほっとカフェ」も開かれ、高齢者も集う交流の場になっている。

 MOMOカフェは、保育士、幼稚園教諭の免許を持つ川崎さんが「子育て世帯の頼れる場に」と古民家を借りてオープン。現在は市の会計年度任用職員として働きながら、毎週木曜日と第1.3日曜日に開いている。

 カフェでは交流会やおはなし会などを企画。夜間や泊まりの託児にも応じている。川崎さんによると、託児利用は年間150人以上で、特に夜間託児の受け入れ施設は市内にないため、夜勤職場や飲食店に勤務する人が多数利用する。

 川崎さんは「3周年を迎え、近くに頼れる人がいない家庭や、仕事や緊急時など預かりの必要性を改めて感じる。今後は行政や民間が子育て環境の整備に力を入れてほしい」と訴える。

 オレンジほっとカフェは、認知症でも地域で暮らせる町を目指し市が設置を委託。親子と高齢者の交流の場になり、双方に好評だ。介護予防として取り組む「ころばん体操」やゲーム、お茶を楽しむ。

 近くの吉岡佳津子さん(91)は「毎月の生きがい。歌ったり、ダンスしたり、赤ちゃんが来るのが楽しみ」と笑顔を見せる。川崎さんは「年齢関係なく集える場として、地域のつながりに発展していければ」と語った。

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