第2戦で発生したFIA-F4のエンジン問題についてGTA坂東代表が説明。第3戦/第4戦は無事開催

 6月1日〜2日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されているスーパーGT第3戦の併催レースとして、FIA-F4第2大会の第3戦/第4戦の予選、決勝レースが行われたが、今回はエントリーした38台全車が両戦とも出走した。5月4日に富士スピードウェイで開催された第2戦の決勝直前に、複数チームが出場を見合わせる事態が発生したが、第1大会から第2大会の間にとられた対策について、GTアソシエイションの坂東正明代表が説明した。

 若手の登竜門カテゴリーであるとともに、フォーミュラを楽しむジェントルマンドライバーも多数参戦するFIA-F4は、今季から第2世代となる新シャシーMCS4-24/TMA43エンジンが投入されたが、富士スピードウェイでの第1大会では、5月3日の第1戦こそ全車が出走していたものの、5月4日8時から第2戦の決勝レースを前に、週末7台の車両にエンジントラブルが発生していたことから、TGR-DC RS F4、HFDP with B-Max Racing Team、PONOS RACINGといったエントラントが、確実な安全確保のため、自主的な判断でレース出場を見合わせていた。

 この一戦の後、GTアソシエイション、そしてTMA43エンジンを製作するトムスは、第2大会の鈴鹿までの間に対策を進め、6月1日〜2日に行われた第3戦/第4戦では、エントリーした38台全車が公式予選、決勝を戦うことができた。

 約1ヶ月の間にとられた対策について、GTアソシエイションの坂東正明代表は、6月2日に行われたGTA定例記者会見のなかで、「4気筒のエンジンのうち、2番、4番のピストンが壊れるという報告がありましたが、このエンジンは量産エンジンがベースになっています。起きている現象に対し、第2戦を前に7000回転のリミッターから回転数を下げて対策し、夜のうちに対策してもらいました。服部(尚貴プロジェクトリーダー)もエントラントとミーティングし、見合わせるチームがいたものの、回転を下げたことでしのぐことができました」と説明した。

「結果的に、イグニッションコイル、タペットカバーなどの強度の問題であったり、配線の問題などがあったため、配線を再度作り直しました。現在はGT500と同じような配線を使用し、強度の問題もプレートをきっちり抑え、振動の対策もとりました。もちろん点火などの変更も行わなければなりませんでしたが対応してもらい、現在の方向で大丈夫だろうとなっています」

 スーパー耐久第2戦富士SUPER TEC 24時間レースが行われていた5月26日に、鈴鹿サーキットで行われたスポーツ走行には29台のMCS4-24/TMA43が参加し走行。これらの対策により第1大会での事象は確認されず、しっかりと効果が確認された。富士24時間に出場していたドライバーのうち、FIA-F4参戦ドライバーは決勝途中で富士から鈴鹿に移動するシーンもみられている。

 坂東代表は「珍しいことではありますが、チームにも迷惑がかかってしまいましたので、その点は申し訳なかったと思います。ただこれで改善できると思いますし、ひとつひとつ検証しながらやっていきますし、サプライヤーもきちんと管理していく体制でやっていくので大丈夫だと考えています」と今後問題はなくなるだろうと語った。

 無事に鈴鹿で開催された第3戦/第4戦は、野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)が連勝を飾っている。インディペンデントクラスは第3戦を今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が、第4戦をDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が制した。

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