「男の器量」は不倫がバレた時にわかる…声優・古谷徹(70)の場合はどうか?(元木昌彦)

古谷徹(C)日刊ゲンダイ

不倫がバレた時、メディアにどう答えるかで、その人間の“器量”がわかる。

週刊文春(5月30日号)は声優・古谷徹が30代女性と4年半にわたる不倫関係にあったと報じた。

古谷は「巨人の星」の星飛雄馬、「ドラゴンボール」のヤムチャ、「名探偵コナン」の安室透などを担当してきた声優界のレジェンド。

アニメ大好きの彼女は、何度も古谷へプレゼントを届けていた。すると、古谷から突然ショートメールが届き、それを機に「親密交際」が始まったという。

古谷は最初のセックスの時、自分は精子のできない体だと、彼女に言ったそうだ。だが、妊娠してしまった。そのことを知ると古谷は「堕ろしてほしい」の一点張りだった。

中絶後、彼女は交際を再開したが、昨年9月、ケンカ別れして、以来会っていないという。

文春は古谷を直撃するが、年のせいもあるのだろうが潔く全てを認め、こう言っている。

「彼女のおかげで『自分はまだ男なんだ』と自信を持たせてもらいました」
\--家族は知っている?

「(取材前に)全部話しました。家内は『本当に愚か、浅はかだ。もう恥さらして生きていこう』と」

すがすがしいコメントといったら、女性たちから怨嗟の声が上がるかもしれない。だが、タレントのベッキーは「ゲス不倫」などといわれたものだし、そもそも“清く正しく美しい”不倫などこの世にない。

「多目的トイレ不倫」と報じられたアンジャッシュの渡部建は、半年間も雲隠れし、ようやく開いた会見では、何度も「本当にバカなことをした」という言葉を繰り返しただけで、妻である佐々木希のスカートの中に逃げ込んでしまった。

妻の南果歩ががんで闘病中なのに、21歳下の彼女との不倫が発覚した渡辺謙は、会見で「隙だらけなんでしょうね」と苦笑するだけの情けない姿をさらし、ヒンシュクを買った。

やはり妻のKEIKOが重篤なくも膜下出血で倒れ闘病中なのに、女性看護師との不倫を報じられた小室哲哉は、会見でこう語った。

「本当にお恥ずかしい話ですが、5年、6年、普通の男性としての能力というのがなくて、精神的な支えが必要だったと思います」

妻の介護に専念して音楽業界から身を引くと宣言。一時は、これを報じた文春への批判が高まったが、全てウソだったことを妻から暴露され、笑いものになった。

だが、こうした修羅場で男を上げた者もいる。

人間国宝の歌舞伎役者・坂田藤十郎が中村鴈治郎時代、FRIDAYが51歳年下の舞妓との不倫を報じた。その上、下半身を露出している写真まで撮られていたというのに、会見では「お恥ずかしいなあ、私が元気だって証明してくださって」とどこ吹く風。男ならかくありたいものである。

不倫が発覚しても堂々と対応するのは女性の方が多いようだ。石田純一の「不倫は文化」という“名言”に匹敵するのは、糸井重里との不倫が発覚した時の樋口可南子のこの一言。「妻子ある人を好きになったんじゃありません。その人にたまたま家族があっただけです」。糸井のキャッチコピー「おいしい生活」よりなんぼかいい。

真田広之との不倫が発覚した葉月里緒奈の「好きな人に奥さんがいてもいいじゃないですか」の開き直りも小悪魔的で私は好きだ。

芸能人諸君! 不倫をするなら、バレた時の言い訳を考えてからにした方がいい。 (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

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