日韓定期貨客船「イースタンドリーム号」8月就航 自転車持ち込みサイクリング訪日客に商機…日本の左側通行の交通ルール理解へ取り組み

鳥取県米子市と韓国との空の便復活に続き、境港と韓国を結ぶ海の定期航路も、8月に復活します。「イースタンドリーム号」、今週、試験運航が行われました。
空の便とは何が違うのか、就航に向けた期待、そして課題を探りました。

現在韓国とロシアを結んでいる定期貨客船「イースタンドリーム号」。今年8月、境港と韓国・東海(トンヘ)の航路が就航します。

境港では毎週土曜午前9時に入港し、翌日・日曜午後7時に出港する週1便の運航計画で、今週、試験運航が行われました。

境夢みなとターミナルに降り立ったトゥウォン商船のイ・ソッキ取締役には、セレモニーで平井知事から花束が贈られました。

鳥取県 平井伸治 知事
「イースタンドリーム号がいよいよ境港に帰ってきました。これから新しい交流の時代、もう一度開いていきたいと思います」

トゥウォン商船 イ・ソッキ代表取締役
「接岸する1時間前から船から境港を見ていましたが、まるで新大陸を見ているように感じました」

期待高まる貨客船。就航に向けた準備もすでに始まっています。
5月20日、米子市で開かれた会議で課題として浮かび上がったのが、長期滞在が見込まれるインバウンド客の受け入れ態勢です。

日ノ丸自動車 米子支店 小笹登 支店長
「やはり観光客の増加によってですね、路線バス等利用の増加。そういったのがバス業界としては期待しております」

米子市内のバス会社。インバウンド客増加に期待を寄せる一方で、課題もあります。

それは運転手の確保。ドライバーの高齢化も重なり、全国的にバスドライバーの減少が続いていて、人手不足が否めない現状です。

日ノ丸自動車 米子支店 小笹登 支店長
「乗務員不足は全国的に深刻な問題になっておりまして、私どもとしても募集の方とか、努力しております。なるべくこういった機会に期待に応えられるように、努力していきたいと思っております」

一方こちらは境港市のサイクリングコース。
近年、韓国ではサイクリングブームが訪れています。

貨客船では自転車を分解することなくそのまま持ち込めます。これは空の便との差別化。山陰でそのままサイクリングを楽しみ、長期滞在してもらおうという狙いです。

鳥取県 観光戦略課 サイクルツーリズム振興室 中原登 課長補佐
「境港に直で来る船ということで、韓国でもサイクリストの皆さんがこちらに来ることを期待しています」

県では、レンタルサイクルの貸し出し手順のハングル化や、日本の左側通行の交通ルールを理解してもらえるよう取り組んでいくとしています。

鳥取県 平井伸治 知事
「まずは情報発信をして、旅行商品の造成など展開を図っていきたいと思います。また、帰りの船には鳥取からも向こう(韓国)への訪問団を作りまして、荷主の交流、それから観光関係これらをまた売り込みを図っていきたいと思います。8月まで間もありません。全力を挙げて準備を進めてまいります」

トゥウォン商船 イ・ソッキ代表取締役
「私自身が鳥取に来て感じた魅力を、これから訪れる皆さんにも感じていただけるプランを用意し、飛行機での旅との差別化を図っていきたいと思います」

観光シーズンとなる夏に就航するイースタンドリーム号。インバウンド客の呼び込み、両国のつながり強化に一役買うことが期待されています。

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