美ら海水族館や備瀬のフクギ並木…無料EVバスが周遊 本部町で実証実験 沖縄 

本部町周遊バスで運行されるEVバス=5月31日、本部町の町産業支援センター

 【本部】町内を周遊する公共交通が不足し、観光客らの移動手段の確保が課題となっている本部町で、1日から町内周遊バスの2024年度の実証事業が始まった。25年2月2日まで。乗車は無料。環境に配慮した観光地を目指し、本年度は電気自動車(EV)バスが初めて導入された。

 使用するEVバスは1台で定員は約30人。車体には本部町の観光名所などがデザインされている。バスは備瀬のフクギ並木からヒルトン沖縄瀬底リゾートまで、海洋博公園や本部港など12カ所を経由して1日4往復運行する。観光需要が増加する8月からはマイクロバスを1台増やし、8往復に増強する。事業費は約3千万円で国の一括交付金を活用する。

 町は22年度から実証事業を始め、昨年度は約1万3千人が利用した。運行ルートは乗客へのアンケート調査や観光施設へのヒアリングを基に毎年決めている。

 昨年度は7月から運行を始めたが、観光施設の要望で本年度は6月からとなった。

 運行に先立ち、5月31日には町産業支援センターで安全祈願祭と出発式が開かれた。平良武康町長は「質や満足度の高い観光地づくりが周遊バスによって出来上がると期待している」と語った。

 (武井悠)

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