「職場復帰と2人目の時期を悩む」「産後のメンタル不調が怖い」「上の子がいての妊娠なんて考えられない」2人目は欲しいけど…。悩めるママ続出

引用元:Ridofranz/gettyimages

2人目出産について、どんな不安があるのか「たまひよ」アプリユーザーにアンケート調査を実施。お金、不妊治療、体力、気持ちの問題などみんなの不安の声について、助産師であり東京大学大学院教授の春名めぐみさんに聞きました。

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2人目は欲しいけれど、踏み切れない理由とは…

まず、みんなの2人目出産についての悩みについて聞いてみました。

■つわりがトラウマに
「職場復帰の時期と2人目の時期を考える。つわりがツラかったため、子どもを育てながら仕事もして、つわり期を乗り越える自信がない…」(なかむー)

■産後のメンタル
「産後にまたメンタル不調がくるんじゃないかと…。怖い…」(なー)

■育児しながらの妊娠に不安
「1人目妊娠中、特に初期は体調が悪かったため育児をしながらの妊娠は大変そう」(ちゅうみ)

■治療を受けながらの仕事と育児の両立
「体外受精でないと妊娠が難しいため、仕事に復帰したら、仕事と育児、通院がうまくこなせるか心配」(さめ)

■金銭面での不安
「年金をもらえるかわからないほど不安な世の中。老後に子どもに迷惑はかけたくないけれど、2人を育児しながら満足に共働きができるのか自信もありません」(わすれんぼOL)

■時短勤務で給料が減ること
「1人目の時はすぐにフルタイム勤務で復職したのですが、さすがに2人目は時短勤務じゃないと厳しい…。けれどその分、給与は減るし物価はどんどん上がってきているので、金銭面が心配」(こだま)

■体力が不安。でも…
「仕事と育児をする体力があるかどうかが1番の心配。でも、自分がボロボロになっても2人は欲しいと思います」(R)

■今の状態では無理かも…
「1人目妊娠中の今でさえ、自分のお世話を誰かにしてもらわないとだめなのに、上の子がいて妊娠なんて考えられません。上の子に我慢させてしまうだろうことも避けたいし…。2人欲しい気持ちはあるのですが、無理な気はしています」(腰いた子)

■職場への配慮と不安
「2人目は年齢のこともあるので早めがいいのですが、復帰すぐで職場に迷惑にならないかなど考えしまいます」(みー)

■高齢出産の悩み
「やっぱりきょうだいを作ってあげたいけど、生まれてくる子どもが元気で生まれてくれるか、もし何かあったら逆に上の子が将来大変になってしまうんじゃないかと…。高齢出産なので悩みます」(黄色が似合うベビーちゃんママ)

■ワンオペ
「2人目妊娠中の悪阻に耐えながら、上の子の面倒を見られるか、また1人目がワンオペでしんどかったのに2人に増えても、家事・育児をこなせるかが正直不安です」(あやたか)

悩みを解消するために身につけたいのは、情報収集力や受援力、少しの鈍感力

ここでは2人目出産に悩むママに向けて、春名めぐみさんにお話を聞きました。

「ワンオペや育児と仕事の両立、教育費、不妊治療などの問題は、2人目の出産を考える女性にとって共通の悩みですね。不安があると、2人目は欲しいけれど難しいのでは?と躊躇したり、悩んだりすることがあると思います。

けれども皆さんの体験談を読むと、2人目の出産に不安を抱えつつ、ご自身の不安をよく整理して考えられています。

2人目出産の悩みを少しでも解消するには、情報収集力やコミュニケーション力、受援力を身につけることと、そして少しの鈍感力が必要ではないかと思っています。

情報収集力は、問題解決のために利用できる子育てサービスの情報を調べる力です。便利なサービスがあるのに利用されていない、あるいは知られていないことがあるからです。自治体によっては、医師・助産師、保健師などの無料相談や自宅から気軽に相談できるオンラインの窓口があります。中には、双子や多胎児のママに特化した相談窓口などもありますから調べておくと、いざという時に役立つのではないでしょうか。

そして、コミュニケーション力も大事です。ママ友や地域のコミュニティの先輩ママと交流することで、悩みを相談できる医療機関やサービスなどの情報や子育てに役立つ情報を得られることもあります。また、悩みを打ち明けられる人や、共通の悩みを持つ人と話す機会を持つことは重要で、自分の悩みや思いを話すだけでも、心は軽くなるのではないでしょうか。

さらに大切なのが、受援力を身につけておくことです。受援力とは、助けを求めたり助けを受けたりすることです。特に子育ては、他人に協力してもらうことに躊躇しがちですが、子育ては1人で抱え込むものではなく、周りと協力していくものという考え方にシフトすることが大切です。周りを見渡すと、パートナーや家族だけでなく、ママ友、友人、地域のコミュニティー、自治体など、もっと頼って欲しいと思っている人は、意外にたくさんいるものです。人やサービス頼ることは決して特別なことではなく、当たり前のことです。ママ本人にとっても、サポートしたい人にとっても、そして子どもたちにとってもプラスになるはずです。

家庭内では、パートナーや家族に家事や育児、仕事の両立で自分が何に困っているのか、相手に求めていることをはっきり伝えることも大事です。特に家事や育児については、言わなくても察して欲しいと思っていては解決しないことが多いので、日頃から話し合っておきましょう。

時には、家族やコミュニティーで子育てについて気になることや心無いことを言われることもあるかもしれません。そんな時は、そういった違う考え方もあるのかもくらいに考え、あまり気にせずに受け流すことです。子育て中は、神経質に考えすぎるより、少し鈍感なくらいのほうがいいと思います。

子育ては『想像していたものとは違う』と思うことの連続です。けれども皆さん1人目の子育ての経験があるので、自信を持って欲しいと思います。子どもが2人になったからといって、大変さが2倍になるというわけではありません。1人目の経験は必ず生かせますから、自分の力をもっと信じていいと思います」(春名めぐみさん)

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これからの子育ては夫婦だけでするものではなく、まわりの家族や地域のコミュニティ、公的サポートや民間のサービスなどをうまく活用する「受援力」が大切ですね。
(取材・文/酒井 範子、たまひよONLINE編集部)

春名めぐみさん

PROFILE)
東京大学大学院医学系研究科母性看護学・助産学教授。名古屋市立大学病院助産師、東京大学大学院地域看護学分野助手、同母性看護学・助産学分野講師、准教授を経て、現職。日本助産学会理事、日本周産期メンタルヘルス学会理事、日本母性衛生学会幹事、日本看護科学学会代議員、日本助産評価機構評価委員なども務める。

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年2月の情報で、現在と異なる場合があります。

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