能登杜氏の姿追い地震被災地に思い寄せる 天寧寺倉庫でチャリティー上映会 会場で純米酒販売 福島県会津若松市

能登杜氏の情熱を伝えるドキュメンタリー作品を鑑賞した上映会

 漆芸品などを手がける福島県会津若松市の関美工堂による能登半島地震チャリティー上映会は1日、同社が運営する「Human Hub(ヒューマンハブ)天寧寺倉庫」で開かれた。参加者は、能登の日本酒などを味わいながら、能登杜氏(とうじ)の情熱を伝えるドキュメンタリー作品を鑑賞し、被災地に思いを寄せた。

 上映会には15人ほどが訪れた。上映作品は、能登の酒造りをテーマに2015(平成27)年に制作された「一献の系譜」(石井かほり監督)。「四天王」と呼ばれる名杜氏や、伝統を継承する若手杜氏の姿を追っている。劇中には、今回の能登半島地震で被災した白藤酒造店も登場する。

 今年1月の災害時、白藤酒造店には、縁のあった鈴木酒造店(浪江町)と高橋庄作酒造店(会津若松市)の蔵元が現地に駆け付け、もろみを搬出。能登の別の酒蔵で無事、新酒を完成させることができた。

 上映会場では、白藤酒造店が今春出荷した純米酒を販売。能登伝統の「揚げ浜式製塩法」による希少な塩を使ったサイダーも並んだ。訪れた人は、さまざまな思いと願いのこもった酒などを口にしながら、能登の自然と文化、人々の営みを伝える映像にじっくりと見入っていた。

 ■毎月1日作品上映

 関美工堂は「天寧寺倉庫シネマ」と銘打ち、倉庫2階の大型シアターで定期的に映像作品を上映している。5月から能登半島チャリティー上映会を始めた。チャリティー上映会は鑑賞無料で、会場に設置した募金箱の浄財と酒などの売り上げの一部を現地に送る。今後も酒造りや揚げ浜式製塩などをテーマとした作品を毎月1日に上映する予定だ。

 問い合わせは同倉庫へ。

(会津版)

能登の日本酒やサイダーが並んだ販売ブース

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