【ベトナム】コメ輸出価格の下限設定を提案、業界団体[農水]

ベトナム食料協会(ベトフード、VFA)はこのほど、コメ輸出額に下限価格を設定するよう商工省に提案した。コメ生産農家の収入とコメ輸出業者間の健全な競争を確保できるという。5月30日付ダウトゥ電子版が報じた。

VFAは、インドなど世界の主要なコメ輸出国が気候変動の影響などを受けて輸出を制限していることで、ベトナムのコメ輸出が増えていると説明。ただインドネシアやマレーシア市場など向けの輸出米の入札において、ベトナムの輸出業者間で不当な価格引き下げ競争が起きており、ベトナム米輸出全体のブランドと価値に悪影響を及ぼしているという。

コメ輸出業者157社のうちVFAに所属しているのは70社と少なく、所属していない業者が不健全な競争をしていたとしても指導することも制裁を科すこともできないと説明。下限価格を設定すれば商工省が指導できるとしている。

VFAは昨年も下限価格の設定を提案した。しかし、一部の業者が輸出価格は市場に従うべきだと主張し実現しなかった。下限価格はかつて設定されていた時期がある。北部食糧総公社(ビナフード1)のブイ・タイン・タム会長は、「復活させるなら慎重に評価・検討する必要がある」との考えを示している。

ベトナム統計総局(GSO)によると、2024年1~5月のコメ輸出量は前年同期比14.7%増の415万トン、輸出額は38.2%増の26億5,000万米ドル(約4,160億円)で、インド、タイに次ぐ世界第3位のコメ供給国となっている。

© 株式会社NNA