仮設に響く鼓笛の音色 珠洲・正院小がパレード

転校した6人も加わって演奏する児童=珠洲市正院小

  ●転校児童も加わり、保護者や住民笑顔

 珠洲市正院小の創立記念鼓笛パレードは2日、同校とグラウンドに建設された仮設住宅団地で行われ、全校児童13人が歩きながら元気な音色を響かせ、住民を励ました。行進後には、能登半島地震後に転校した児童6人も加わって演奏や合唱、ダンスを披露し、集まった保護者や住民ら約100人に笑顔を届けた。

 正院小の鼓笛パレードは60年以上続く恒例行事で、例年は正院地区を児童が歩いて演奏してきた。震災を機に児童数はほぼ半減したが、今回はグラウンドに整備された仮設住宅団地を回ることにした。

 玄関前での演奏では、震災後に転校した6人が加わり、計19人で「手のひらを太陽に」を合唱。校歌、「負けないで」「世界に一つだけの花」を演奏し、大きな拍手が送られた。中には感極まって涙を流す来場者もいた。

 6年生の瓶子(へいし)芽那さんは「地域の人を笑顔にできて良かった」とほっとした表情を浮かべた。1月に野々市市富陽小に転校した6年生の前希世來(きよら)さんは「正院のみんなと再会できたのがうれしかったし、一緒に演奏できて楽しかった」と満面の笑みで話した。

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