大行燈の制作佳境 砺波で1、2日に庄川観光祭 総裁許の京坂、屋形船を題材

大行燈の制作に精を出す京坂若連中=砺波市庄川町金屋

  ●14町内会から23基登場

 6月1、2日に砺波市庄川地域で行われる庄川観光祭に向けて、各町で呼び物の大行燈の制作が佳境を迎えている。今年の祭りのまとめ役である総裁許(そうさいきょ)を出す「京坂(きょうざか)」若連中は屋形船にヤマタノオロチとスサノオ、獅子頭のつりものを飾り、ボリューム感と迫力を出す。コロナ明けで約6万8千人を動員した昨年以上の盛り上げに意気込む。

 京坂は2015年に大行燈を復活させ、毎年大行燈を変化させてきた。作業は京坂公民館で3月中旬から始まり、10代から60代の10~15人が集まる。約60世帯と、大行燈を出す町内の中では大きくないが、南砺市や高岡市、金沢市など町外の人も参加している。

 人口減少するなかで祭りを続けていくための新たな取り組みも始めた。スマートフォンのアプリで大行燈の全体図を描き、画像をタブレットで確認しながら仕上げていく。これまでは熟練の人を中心に考えながら絵を描いていたが、参加者全員が完成した姿を共有し、熟練者でなくても絵の細部を担えるようにした。

 今年は14町内会から大中小23基の行燈が登場する。竜虎(りゅうこ)や朱雀(すざく)、恵比寿(えびす)などを題材とし、本番直前まで作業が続く。

 1日は夜高行燈コンクール(富山新聞社後援)が午後8時45分ごろから庄川生涯学習センター前で行われる。その後大行燈が「あわせ」と呼ばれるぶつかり合いを繰り返す。

 総裁許の石森佑輝さん(36)は「たくさんの人に来てもらい、楽しんでもらえる祭りにしたい」と話している。

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