【都知事選】連合会長より強い「母のコネ」蓮舫氏VS.世田谷区長がバッサリ「作戦失敗」小池氏“泥仕合”の全真相

都知事選で注目される蓮舫氏(左)と小池氏 (写真・長谷川 新)

両陣営の「静」と「動」が垣間見える1日だった。

5月29日、東京都議会で、都知事選への立候補を表明した蓮舫氏(56)と現職の小池百合子都知事(71)が、ニアミスした。

小池氏は、報道陣が集結した議会冒頭の所信表明でも都知事選にふれることなく、沈黙。一方、蓮舫氏は都議会の立憲民主党、日本共産党の両会派を訪れ、笑顔を振りまく。

ペースを握られた小池氏の目立った動きは、28日の新宿区の吉住健一区長、調布市の長友貴樹市長らによる「52首長からの出馬要請」だった。

「当初、都内の全62自治体のうち、8割以上が『要請』したと報じられましたが、一部から『“応援”と聞いていた』との声もあがっており、混乱を呼んでいます」(政治部記者)

名を連ねなかった世田谷区の保坂展人(のぶと)区長はこう話す。

「5月16日の区長会で、吉住区長から『私からの提案で、あくまで個人の判断です』と、返信封筒つきの要請文が渡されたんです。ただ、私は『都知事選の構図も見えず、政策も聞こえてこない状況では出馬要請に加われない』と断わりました。

三多摩地域への呼びかけは23区とは違い、都政運営に対する要望を求めるもの。一概に『出馬要請』とはいえなかったと聞いています。

それが結果として、都民ファーストの会や公明党と同様に出馬要請したように報じられたのは、小池知事側がすべての面会を狭い時間帯に集めるように、入念に日程調整した賜物でしょう。

しかし、賛同しなかったのが10自治体にのぼったことに世間の注目が集まっているのですから、結果として、逆効果になったのではないでしょうか」

戦後、一度も現職候補が落選していない都知事選挙。しかし、小池氏はかなりの危機感を持っているようだ。

「前回、2020年の都知事選では、自民党東京都連、公明党に加えて、労組の『連合東京』まで味方につけて圧勝しました。

しかし、今回は岸田政権への批判が強まっており、小池さんは『自民の影がちらつくだけで票が逃げる』と恐れています。さらに、連合東京が今回も支援にまわるかは不透明です」(都政関係者)

連合の芳野友子会長は、共産党が蓮舫氏を支援することを意識して、小池知事の都政運営を評価するコメントを出した。しかし、具体的には「連合東京の判断」として、支持先は明言しなかった。

「そこでキーパーソンになるのは、蓮舫氏の母・Kさんです。あまり関係のよくない親子といわれていますが、もともとは『一卵性母娘』と呼ばれるくらい性格もそっくりです。

そのKさんが営む飲食店は、政治家やメディア関係者が常連であることで有名ですが、店にはJAM(ものづくり産業労働組合)の会長も通っています。

芳野氏はもともとJAMの副会長を務めており、会長は彼女にとって“頭が上がらない元上司”のひとり。連合としての支持を明言できなかったのはこのためです」(同前)

都民1400万人を巻き込む泥仕合か。

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