【広島】新井監督はファーム遠隔チェックで時短化 連敗スタートの6月は誰を上げる?

広島・新井監督

広島は2日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に延長10回の末、3―5でサヨナラ負けを喫し、今季最長タイの4連敗で首位から陥落した。敵地でパ・リーグ首位チームに完敗した新井貴浩監督(47)は「負けはしましたけど、1回追いついて。収穫もあった」と悔しさを押し殺した。

連敗スタートの6月は、戦力として機能してない面々の見極めも浮上の鍵を握りそうだ。現有戦力のレベルアップを合言葉に全員野球を掲げる新井政権では特に「最前線」で戦う一軍のほか、昇格に備える二軍ナインも貴重な戦力。昨季から、シーズン中でも指揮官は公式戦が本拠地・マツダスタジアムで行われる試合の時は度々、車を走らせ、約1時間はかかる二軍本拠地・由宇や二軍施設・大野など、時間の許す限り、昇格候補や故障者を〝直接視察〟して現状確認する姿がしばしばあった。

だが今年は開幕以降、二軍に赴くことはナシ。文字通り、地に足をつけて采配を振るっている。今季からファームを確認する時間的負担をハイテク化で一気に軽減させた。今季からは球団貸与のiPadを愛用。オンタイムで二軍戦を監督室で視聴し、本拠地に身を置きながら二軍ナインの動向を逐一、チェックしている。

ここまでそんな遠隔チェックで4月は3本塁打の宇草、5月は昇格後、チーム一の4本塁打で中軸を打つ末包など攻撃力増強の一手に成功。現在、ファームでは選手会長・堂林やシャイナー、田村など開幕一軍だった面々も調整している。

リーグ4位の152得点と慢性的な得点力不足は依然として解消すべき課題で、ファームから誰を上げて刺激を注入していくか――。再浮上へ、指揮官の決断が再び問われる6月となりそうだ。

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