日本旅行中のアメリカ人が花束で大失敗 高齢の日本人女性に感謝の気持ちを伝えたかった理由とは

アメリカ人の(左から)ケビンさんとダンさん【写真:Hint-Pot編集部】

日本人の親切さに驚く訪日外国人観光客は、少なくありません。初めて日本を訪れたアメリカ人男性は、ある寿司店で「人生で一番おいしい」寿司を堪能。苦手な食材も克服しました。感謝を示そうと翌日も来店したところ、ある失敗をしてしまったといいます。心温まるふれあいのなか、男性が克服した苦手な食材とはなんだったのでしょうか。

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おいしさと店主の人柄に感激し再訪を約束

アメリカのカリフォルニア州から、初めて日本を訪れたケビンさんとダンさん。3週間の滞在を予定しています。

「日本人は本当に親切だ」と話すふたり。日本では困っているとサポートしてくれる人が多いと感じているようです。

ふたりは、宿泊先から近いエリアに住んでいる日本人とすっかり仲良くなり、ある江戸前の寿司店を紹介されたそう。そこで素敵な出会いがありました。

「その寿司店は、高齢の女性がひとりでやっている店。まず80歳を過ぎて働いていることに、びっくりしたんだ。アメリカでは、80歳を超えてあんなにバリバリ働いている人はほとんどいないよ。それに彼女が作ってくれた寿司は、僕の人生で一番おいしかったんだ」

女性店主は英語ができなかったものの、ダンさんによるとスマートフォンの翻訳機能を使いこなし、ふたりとの会話を楽しんでくれたそう。ダンさんは寿司のおいしさと、店主の人柄に感激し「明日も来ます!」と約束しました。

翌日も同じ店を訪れたふたり 外国人“あるある”な勘違いも…

実際、翌日もふたりは同じ寿司店を訪れたといいます。前日のおいしい寿司と店主のもてなしに感謝を示したいと考えたふたりは、スーパーマーケットで花束を購入。店主は「『明日また来ます』と言って、本当に来てくれた外国人は初めてよ」と、プレゼントもとても喜んでくれたそうです。

しかし、このときのことを日本人の友人に話したところ、ふたりは外国人によくある勘違いをしたことが発覚。実は、感謝の気持ちを込めて贈ったのは、仏壇などにお供えするための菊などが入った仏花の花束でした。日本で菊の花が、主にどういう用途で使われるか教えられたダンさんは「お葬式に持っていく花だと聞いて『なんてことをしてしまったんだ!』と後悔したよ」としょんぼり。

ふたりで再び店を訪れて謝罪すると、「その気持ちのほうが、うれしいから大丈夫よ」と店主はまったく気にしていなかったそう。ダンさんは「うれしいような、逆に申し訳ないような、複雑な気持ちになったんだ」と明かしました。

ケビンさんとダンさんが堪能した江戸前寿司。この中にダンさんが日本で目覚めたネタも…【写真提供:ダン】

「まったく癖がなくて、とてもまろやか」

かわいらしい失敗はあったものの、店主が作ってくれた寿司への感激を語り切れていないというダンさん。実は、その寿司店のおかげで苦手な寿司ネタを克服できたといいます。

「これまで何度か食べたことがあるけど、おいしいと感じたことはなくて。ウニは苦手だったんだ。でも彼女が作ったウニの軍艦巻きは、まったく癖がなくて、とてもまろやかでおいしかった。これならいくらでも食べられるよ!」

日本人でも苦手という人がいるウニ。鮮度や加工方法によって味や風味が大きく左右されることから、最初に食べたもので好き嫌いが分かれるといわれます。そうした食材だけにダンさんは、素敵な店主と出会えただけでなく、苦手だったウニも克服できたようです。

おいしい日本の寿司とともに、高齢の女性店主との温かいふれあいを体験したケビンさんとダンさん。滞在中に足繁く店に通うだけでなく、まろやかなウニと女性店主に会いに、また日本へ来てくれそうですね。

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