知ってる?「セロリ」の血液サラサラ成分が大幅増量する調理法

火を通すことでやわらかくなったり、苦味が減って食べやすくなる食材は多いもの。ところが加熱することで栄養が壊れたり流出してしまうこともあるため、栄養からみれば加熱はもろ刃の剣。食材ごとの加熱の注意点を知っておきたいですね。健康効果が高い、セロリについて解説します。

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がん予防や血栓予防にうれしい栄養素が満載

セロリはビタミン類のほか、カリウムやカルシウムなどのミネラル類がまんべんなく含まれている野菜。また、フラボノイドやカロテノイド、テルべノイドなども含んでおり、これらは強い抗がん作用があると注目を集めています。

セロリ独特の香りが苦手な人もいますが、香り成分の「ピラジン」には、血液をサラサラにしたり、脂肪やタンパク質の分解を促進させる効果が。血栓ができるのを防いだり、中性脂肪の上昇を抑える働きが期待できるのです。

セロリを焼くとこのピラジンが生成されて大幅に増量! 焼くことで、活性化酸素の働きを抑える「フェノールカルボン酸」も生成されます。かさが減ってたくさん食べられるのもうれしい点です。

【DATA】
旬:春
保存期間:1週間(冷蔵庫)
主な栄養素:1本(正味98g)、カリウム402mg、カルシウム38mg、ビタミンC7mg(生)

【注目成分】
・カリウム
余分なナトリウムを体外に排出したり、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制。高血圧を防ぐ。

・ピラジン
血栓をできにくくしたり、脂肪やタンパク質を分解し代謝を促進させたりする効果がある。

【選び方】
葉は緑色が濃くみずみずしくて香りのよいもの。茎は太くて肉厚のもの。

【保存法】
葉と茎を分け、それぞれラップに包むか、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。

POINT
・食物繊維の含有量が、野菜のなかではトップクラス! 食後血糖値の上昇を抑えることで、糖尿病の悪化を抑えます。

・がんの抑制効果が高いとされるデザイナーフーズのなかで、セリ科のセロリは首位のグループに位置づけられています。

焼きセロリの作り方

セロリは水洗いしたうえでよく水けをふきとります。
4〜5cm長さに切り、トースターや焼き網、オーブンで軽く焼き目がつくまで焼いてできあがり。
弱火で焼くのが、焦がしすぎないコツです。

セロリを焼くとせっかくのビタミンCが減ってしまいますから、レモンをかけていただくのがおすすめ。
風味もアップして食べやすくなります。

セロリの葉は茎より栄養豊富

セロリの葉を捨てて、茎だけ使う人も多いのでは?
実はセロリの葉は、茎よりも栄養が豊富。焼くと生成されるピラジンも、生のセロリの場合、茎よりも葉に多く含まれています。

そのほか葉にはβ-カロテンやビタミンB群、食物繊維もたっぷり。捨ててしまってはもったいない。
こまかく刻んでサラダやスープに入れて、いただきましょう。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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