「もやし」をゆでるときに塩のほかに加えるといいものは?栄養を守る調理法

火を通すことでやわらかくなったり、苦味が減って食べやすくなる食材は多いもの。ところが加熱することで栄養が壊れたり流出してしまうこともあるため、栄養からみれば加熱はもろ刃の剣。食材ごとの加熱の注意点を知っておきたいですね。もやしの奥深い調理のコツをご紹介します。

実はビタミンやミネラルが多種類含まれている

お手ごろ価格で庶民の味方のもやし。栄養がないと思われがちですが、かぜを防いでくれるカリウムなど、ビタミン類やミネラル類がまんべんなく含まれています。ローカロリーで、ダイエットの味方としても優秀食材、ただし傷みやすいのが難点で、販売されている間にもどんどん鮮度が落ちています。

そのため加熱が必須ですが、加熱でビタミンやミネラルが損なわれるのが悩ましいところ。損失を抑えるには、ゆでる時間を最小限に。お湯に塩ひとつまみとサラダ油大さじ2を加えるとお湯の温度が下がりにくくなり、ゆで時間を短縮可能。量によりますが、10〜30秒で青くささがとれしゃきっとゆであがります。

【DATA】
旬:周年
保存期間:1〜2日(冷蔵庫)
主な栄養素:つけ合わせ1人分(40g)ビタミンC 4mg、食物繊維0.6g、ビタミンB₂ 0.02mg(ブラックマッペもやし、生)

【注目成分】
・ビタミンC
抗酸化作用が高く、かぜや動脈硬化、がんの予防に力を発揮。美肌をつくるにも欠かせない栄養素。

・カリウム
体内の余分なナトリウムを排出する働きがある。血圧の上昇を抑えるのにも役立つ。

【選び方】
茎が白くて太くてしっかりしたもの。豆が開いていないもの。

【保存法】
冷蔵庫で保存しても、栄養はどんどん失われていくので、買った日に使いきるか、2日が限度。

POINT
・生に比べると食感は悪くなりますが、冷凍保存も可能です。未開封の場合は購入した袋のまま、使いかけは洗って水けをふきとり保存用袋に入れて冷凍庫へ。

もやしのひげ根はとったらもったいない!

もやしのひげはとったほうがおいしく仕上がるといわれていますが、手間を嫌いそのまま使っている人も多いのでは。もやしのひげ根にはビタミンCや食物繊維がたくさん含まれています。ひげ根もいっしょに食べたほうが、断然お得なんです。

もやしは野菜室で保存しない

もやしは4〜5日たつと茶色く変色し、イヤなにおいを発し始めます。それを少しでも防ぐには保存の温度がポイント。冷蔵する際は、できるだけ低い温度で保存しましょう。野菜室は6℃前後と、ほかの部屋に比べて高め。冷蔵室やチルド室で保存すれば、劣化を抑えることができます。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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