今度は日本代表で 全米女子2勝目の笹生優花が2大会連続オリンピックへ

2大会連続の五輪へ大きく近づいた(撮影/村上航)

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(2日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)

3打差5位から出た笹生優花が5バーディ、1ボギー1ダブルボギーで回り、通算4アンダーで逆転優勝を飾った。朴仁妃(韓国)と並ぶ19歳11カ月17日の最年少でビッグタイトルをつかんだ2021年大会に続く2勝目。複数回Vは全米女子オープン史上16人目、メジャー2勝は日本勢初の快挙となった。

2019年に日本女子プロゴルフ協会のプロテストに合格し、翌年「NEC軽井沢72」、「ニトリレディス」と初優勝から2試合連続Vの離れ業を演じた。全米女子オープンでは、プロとして初出場だった20年に13位に入ると、カリフォルニア州オリンピッククラブで行われた21年大会で畑岡奈紗とのプレーオフを制してカップを掲げた。

そのまま米ツアーに主戦場を移し、昨季はメジャー2試合で優勝争いを演じた。6月「KPMG全米女子プロ」では最終日の猛チャージでクラブハウスリーダーとしてホールアウトするも、1打及ばず2位。7月「アムンディ エビアン選手権」でも3位に食い込んだ。

メジャー前週は基本的に試合に出場せず、オープンウィークにして調整に専念するなど、シーズンを通したスケジューリングからターゲットを明確にして戦っている。「それは、これからもずっと変わらない」と話してきた通り、常に意識していたメジャータイトルを“狙って”つかみ取った形だ。

開幕前の時点で30位につけていた世界ランキングも大幅に上昇。2021年「東京五輪」に続いて8月「パリ五輪」出場の可能性も一気に膨らんだ。フィリピン代表として出た東京大会直後に日本国籍を選択。重国籍者は22歳になるまでに国籍を選ばなければならない日本の国籍法に対応するためだったが、結果として日本代表入りの権利を得た。

「4年に一度しかないので、出られるならもちろん出たい。オリンピックのためにというよりは、1シーズンを通してのゴルフだと思っている。しっかり1試合1試合に集中して、普段通りにやって、出られればいいですし、出られなくて落ち込むわけでもない。そこは未来に任せて」。3月の時点で話していた未来予想は、一気に現実味を帯びてきた。(ペンシルベニア州ランカスター/亀山泰宏)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン