五穀豊穣願い、軽快に 大蔵で合海田植え踊り

合海地区各所を巡り「合海田植え踊り」を披露する保存会メンバー=大蔵村

 大蔵村合海地区の伝統行事「合海田植え踊り」が2日、同地区で行われた。保存会(松田与市会長)の会員が五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願って踊りを披露した。

 合海田植え踊りは江戸時代から続くとされる。以前は年明けに行っていたが、若者が出稼ぎに行く冬を避け、1970(昭和45)年ごろから田植えを終えた時期に行うようになった。

 この日は華やかな羽織を着た踊り手4人が、同地区内の神社や民家など6カ所を回った。笛や太鼓の演奏に合わせ、稲穂に見立てた「尺長(しゃくじょう)」を振って軽快に舞った。田植え踊りに続いて披露された大黒舞の「なんたらめでたいことだべな」のせりふが響き、観客から大きな拍手が送られた。

 例年は各戸を巡回する「門付け」をしていたが、新型コロナウイルス禍の影響で2021年から地区内各所での披露としている。門付けは来年に復活予定という。

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