25歳以下が「退職」を決めた3つの理由。300人調査で判明、転職しやすい時代の考え方とは

「25歳以下が退職した理由で多かったのは?」

人材紹介サービス「アクシス」(東京都)が運営する転職ノウハウメディア「すべらない転職」は6月3日、「仕事への満足度」に関する調査結果を公開した

スマホ一つで企業の情報が入手できるようになった今、仕事や給与に対する満足度が低ければすぐに転職できる環境になった。25歳以下の会社員はどのような理由で退職しているのだろうか。

退職理由の上位三つは

調査は5月24日、インターネット上で実施し、国内で就労経験がある18〜25歳の300人が回答した。

内訳は、社会人「1年未満」が28人、「1年以上3年未満」が103人、「3年以上5年未満」が133人、「5年以上7年未満」が26人、「7年以上10年未満」が10人。

そのうち、新卒で入社した会社を退職した人は、「1年未満」が17人(39.3%)、「1年以上3年未満」が93人(90.3%)、「3年以上5年未満」が126人(96.2%)、「5年以上7年未満」が25人(96.2%)だった。

なお、「現在の仕事に不満」(大変不満とやや不満の合計値)と回答したのは、「1年未満」が9人(32.1%)、「1年以上3年未満」が25人(24.2%)、「3年以上5年未満」が10人(7.5%)、「5年以上7年未満」が3人(16.4%)。

「給与に不満」(同)と答えた人は、「1年未満」が15人(53.6%)、「1年以上3年未満」が42人(40.8%)、「3年以上5年未満」が21人(15.8%)、「5年以上7年未満」が10人(38.4%)だった。

「給与に満足していますか?」

そして、「退職(検討)理由」について複数回答で尋ねると、次のような意見が挙げられた。

▽1年未満

①「人間関係が悪かった」(11件)

②「労働時間、労働環境が悪かった」(11件)

③「給与が低かった」(10件)

そのほか、「肉体的、精神的な健康を損ねた」(10件)、「入社前と後でギャップがあった」(7件)、「会社の風土やカルチャーが合わなかった」(6件)、「仕事内容にやりがいを感じなかった」(5件)など。

▽1年以上3年未満

①「人間関係が悪かった」(58件)

②「労働時間、労働環境が悪かった」(45件)

③「給与が低かった」(30件)

そのほか、「入社前と後でギャップがあった」(28件)、「肉体的、精神的な健康を損ねた」(25件)、「仕事内容にやりがいを感じなかった」(24件)、「会社の将来性に不安を感じた」(17件)など。

▽3年以上5年未満

①「労働時間、労働環境が悪かった」(90件)

②「人間関係が悪かった」(85件)

③「給与が低かった」/「肉体的、精神的な健康を損ねた」(いずれも23件)

そのほか、「入社前と後でギャップがあった」(20件)、「仕事内容にやりがいを感じなかった」(17件)、「会社の将来性に不安を感じた」(14件)、「会社の風土やカルチャーが合わなかった」(8件)など。

▽5年以上7年未満

①「人間関係が悪かった」(11件)

②「労働時間、労働環境が悪かった」/「給与が低かった」(いずれも8件)

そのほか、「会社の将来性に不安を感じた」(5件)、「自己成長ができないと感じた」(5件)、「入社前と後でギャップがあった」(3件)、「結婚や出産、家族の転勤・介護などで辞めざるをえなかった」(3件)など。

調査は、「どの社会人歴でも、上位3位の退職(検討)理由は『人間関係が悪かった』『労働時間、労働条件が悪かった』『給与が低かった』だった」と指摘。

その上で、「異動や業務内容が変わらなければ改善されない不満のため、転職に繋がりやすいと考えられる」と分析した。

実際、2023年6〜7月に調査した「24卒ダイヤモンド就活ナビ就活意識調査」を見ると、「内定あり」と回答した学生は80.7%と、コロナ禍以前に迫る高水準だった。

また、重複内定を持つ学生は72.6%、平均内定社数は2.94社というデータからも、就活者に有利な「売り手市場」であることがうかがえる。

スマホ一つで転職先を探せるという点からも、適切な給与や評価制度の運用、労働環境の改善などがおこなわれなければ、人材はますます流出していくことが予想される。

© ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社