「キリスト祭」節目の60回、県内外から600人 青森・新郷村 「墓」囲みナニャドヤラ奉納

十来塚を囲み、ナニャドヤラを踊る村芸能保存会の会員たち

 イエス・キリストの渡来伝説がある青森県新郷村で2日、村観光協会(髙橋敏会長)主催の「キリスト祭」が開かれ、地域に伝わる盆踊り「ナニャドヤラ」などを奉納して村に眠るとされるキリストの霊を慰めた。会場のキリストの里公園には県内外から約600人が訪れ、60回目の節目を記念して行われた「ナニャドヤラの祭典」や踊りの体験会を楽しんだ。

 慰霊祭で大祭長の櫻井雅洋村長は「ロマンあふれるキリストの里の情景を満喫してほしい」とあいさつ。神事と同村の田中獅子舞保存会(長峯晃若頭長)の権現舞奉納に続き、村ナニャドヤラ芸能保存会(佐藤久美子会長)のメンバーがキリストの墓とされる「十来(とらい)塚」を囲み、厳かでゆったりとした踊りを奉納した。

 ナニャドヤラの祭典では同村芸能保存会、田代盆踊愛好会(階上町)に加え、岩手県の2団体がそれぞれ踊りを披露した。

 体験会で踊りの輪に加わった北海道士別市の公務員北川陽介さん(32)と北海道江差町の同・川目大翔さん(23)は初めて同村を訪問したといい、北川さんは「周辺に霧がかかって、神秘的な村のイメージ通りだった。慰霊祭が神事から始まったので驚いたが、踊りなどを体験できて楽しかった」と笑顔で話した。

© 株式会社東奥日報社