セキュアドローン協議会、「ドローンセキュリティガイド 第5版」を公開

測量、物流、設備点検、警備や災害時の被災状況調査など各種産業分野において、無人航空機(ドローン)の活用分野が広がっている。利活用が進む産業用途のドローンは、政府や民間を問わず利活用が進んでおり、人口密集地区における目視外飛行(Level4)や、無人航空機における携帯電話等の端末の上空利用緩和など法整備がされており、本格的な社会実装が推進されている。

セキュアドローン協議会が2023年12月に公開した「ドローンの業務活用におけるセキュリティ対策の意識調査」では、「悪意ある第三者によるハッキング・乗っ取り」などのセキュリティ対策の必要性を認識する一方、実際の対策については予算上の課題もあると見受けられ、経営層を含めたドローンのセキュリティ対策の重要性についての意識向上が必要ではないかと思われるという。

ドローンの社会実装が進むなか、悪意ある第三者による攻撃などのセキュリティ対策を行い、企業や組織は関連する法令の遵守、事故や事件発生時のブランドイメージへの影響、機密データの漏えいによる悪用などのリスクへの対応が必要だ。

これまでは、インターネットオフラインでの利用が前提で電波障害や通信妨害などの対策は必要だったが、携帯電話等の上空利用と人口密集地区での目視外飛行(Level4)の本格化により、ドローンがインターネットオンライン状態となり、総合的なサイバーセキュリティ対策が実装されていない現状では、リスクを起こす可能性がある。

ドローンのセキュリティ対策については、2022年3月に経済産業省より「無人航空機分野 サイバーセキュリティガイドライン」が公開されており、無人航空機の汎用的なシステムモデルについて定義されている。

また、これまで政府では、IoTや自動運転車などのセキュリティが検討されており、これらのシステムと同様にドローンならびに周辺のソリューションにおいても、セキュリティ実装の重要性が高まってきている。

近い将来において、飛行するドローンだけではなく、陸上、水上、水中などのドローンの自律機体制御や機体管理といった移動体特有のセキュリティリスクを考慮したセキュリティ実装および安全航行のためのセーフティを含めた対策が必要だ。

今後もセキュアドローン協議会は、会員企業各社の先端ドローン技術、セキュリティ技術、IoT関連技術といったICT関連技術や経験、知見を生かし、ドローンの安心・安全な操作環境を確立するための指標を普及啓発していくとしている。

本セキュリティガイドの概要

本セキュリティガイドの策定を通して、信頼できるドローンの安心・安全な操作環境とデータ送信環境を確立していくための指標を提言している。

産業用ドローンが普及していくためには、情報処理においてこれまで配慮されてきた情報セキュリティ対策や、最新のIoT関連のセキュリティ技術との連携が重要になり、ドローンにおけるセキュリティリスク、機体制御、機体管理、ドローン機器、通信、アプリケーションやクラウドなどドローンソリューション全体におけるセキュリティ要件やドローンにおけるセーフティに関する要件を解説。また、ドローン機体メーカー、ドローンサービス提供事業者、ドローン活用ユーザそれぞれのとるべきセキュリティ対策の要件など産業利用における指標を記述している。

本セキュリティガイドの主な改定内容

  • ドローンのステークホルダー毎のサイバーセキュリティ作業内容
  • ドローンのソフトウェアサプライチェーン
  • ドローンに関連するサイバーセキュリティ国際規格
  • 位置情報の保護
  • 国内統計事例(改正航空法施行後)

本セキュリティガイドの主な改定内容

以下の内容について解説:

  • ドローンのセキュリティ仮想事例
  • ドローンのセキュリティ概要
  • 機体認証と型式認証
  • 各種ガイドラインとの関係性
  • ドローンセキュリティ対策の進め方
  • ドローンのリスクアセスメント
  • ドローンのセキュリティ要素技術
  • ドローンの運用手順および運用時の注意事項
  • ドローンにおけるセーフティ
  • ドローン関連サービスとプロトタイプ開発事例

Japan Drone 2024出展

セキュアドローン協議会は、Japan Drone 2024に協賛ならびに出展する。展示ブースでは、ドローンセキュリティガイドの解説や当協議会の取り組み、ドローンの安心・安全でセキュアな利活用に関する内容や会員企業各社のサービスについて紹介するとしている。

出展者ワークショップ

Japan Drone 2024

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