山の中の「トモエ学園」で自然から学ぶ子どもたち 中国青海省

山の中の「トモエ学園」で自然から学ぶ子どもたち 中国青海省

5月30日、野原で活動する格桑花幼稚園の園児たち。(西寧=新華社記者/王艶)

 【新華社西寧6月3日】中国青海省黄南チベット族自治州の隆務河谷では、両岸の草木が青々と茂り、山の中腹には色とりどりの花が咲く季節が到来した。野原では近くの幼稚園の園児たちが手に草花を握り、野原で元気よく動き回っている。

 これは同自治州同仁市にある格桑花幼稚園の「自然教室」の光景。今年4月、同幼稚園の子どもたちが畑で農作業を体験する動画が多くのネットで話題となった。動画では、黄色い帽子をかぶった子どもたちが、先生に教えられながら伝統的な農具を使って開墾と種まきをしていた。

山の中の「トモエ学園」で自然から学ぶ子どもたち 中国青海省

5月30日、野原で活動する格桑花幼稚園の先生と園児たち。(西寧=新華社記者/王艶)

 索南多傑(スオナンドゥオジエ)園長は「自然は子どもたちにとって最高の教師。山や川、草花との触れ合いを通じて、人と自然の調和の大切さを感じてほしい」と話す。

 この日の「自然教室」のテーマは「故郷の草花を知ろう」で、夏吾卓瑪(シアウージュオマー)先生(25)が子どもたちに周りにある知らない花を摘むように言い、その後全員で草地の上に輪になって座り、花の名前を覚えた。

山の中の「トモエ学園」で自然から学ぶ子どもたち 中国青海省

5月30日、子どもたちに花について教える先生。(西寧=新華社記者/王艶)

 夏吾卓瑪さんは「園の先生たちは皆、黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』を読んでいる」と紹介。本の中で最も印象深かったのは、校長の小林先生の「子どもを先生の計画に、はめるな。自然の中に放り出しておけ。先生の計画より子どもの夢のほうが、ずっと大きい」という言葉だと語った。

 同幼稚園は2018年設立、現在500人以上の園児が近隣の郷鎮から通っている。園では子どもたちの環境保護意識を育むため、教職員や保護者が古い紙箱や飲料ボトルのキャップを使っておもちゃや教材を手作りしている。廊下の壁には、園児と親が落ち葉を使って制作した絵や、先生が古紙を使って宇宙を表現した絵が飾られている。(記者/白瑪央措、王艶)

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