「僕らが勝たなきゃいけない」セルティックスのテイタムが2年ぶりのNBAファイナルでリベンジ誓う<DUNKSHOOT>

現地時間6月1日(日本時間2日、日付は以下同)、ボストン・セルティックスが練習後にメディア対応をこなし、チームの現状や6日からスタートするダラス・マーベリックスとのNBAファイナルについて語った。

「僕、それにこのチームにとっても、ファイナルへ出場した経験から学ぶことができている。だから今回は、多くの面で前回とは違うと思う」

そう口にしたセルティックスのジェイソン・テイタムにとって、プレーオフでイースタン・カンファレンスを勝ち上がってファイナルに進出するのは2022年以来2度目のこと。

前回の頂上決戦ではゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に初戦を制し、第3戦を終えた時点で2勝1敗とリードしていた。だがディフェンスのギアを上げた老獪なウォリアーズの前に、第4戦から3試合連続で100得点未満に封じられ、2勝4敗でリーグ制覇を逃していた。
セルティックスではテイタムのほか、ジェイレン・ブラウン、デリック・ホワイト、アル・ホーフォード、ペイトン・プリチャード、サム・ハウザー、ルーク・コーネットが2年前のファイナルを経験している。

「確かに、僕らは前にも(ファイナルへ)進んで、(優勝には)届かなかった。こうしてまたファイナルへ出場するという最高の機会を手にしたんだ。誰もが2度目のチャンスを掴めるわけじゃない。だからこそ、僕らが勝たなきゃいけない新たなシリーズなんだ」

そう意気込んだテイタム。セルティックスではここまでに挙げてきた選手たちのほか、ドリュー・ホリデーは2021年にミルウォーキー・バックスでチャンピオンを経験。右ふくらはぎの肉離れで離脱しているクリスタプス・ポルジンギスもシリーズ初戦で復帰できる目途が立っていることから、2008年以来、球団史上18度目の優勝に向けて視界は良好と言っていい。

両チームによるシーズン中の直接対決は、セルティックスが2勝0敗でリード。マブズがトレード・デッドライン後の現体制を構築した3月1日の一戦でも138-110で快勝している。
前回のファイナルで、テイタムはシリーズ平均21.5点、6.8リバウンド、7.0アシスト、1.2スティールとオールラウンドなスタッツこそ残したものの、両チームワーストの23ターンオーバーを喫し、フィールドゴール成功率は36.7%と苦戦。

ウォリアーズはテイタムへの刺客としてアンドリュー・ウィギンズとドレイモンド・グリーンというチームトップ2ディフェンダーを投入。ウィギンズとのマッチアップ時はフィールドゴール成功率36.4%(4/11)で1アシスト、1ターンオーバー、対グリーンでは同16.7%(1/6)で7アシスト、5ターンオーバーだった。
今回対戦するマブズには、リーグ最高級のオフェンシブデュオのルカ・ドンチッチ&カイリー・アービングが君臨している。その周囲を有能なロールプレーヤーたちが支えていて、テイタムにはおそらくPJ・ワシントン、デリック・ジョーンズJr.が主にマッチアップし、ダニエル・ギャフォードとデレック・ライブリー二世がアンカーとしてペイントでカバーすることになりそうだ。

テイタムが今年のファイナルで2年前の苦い経験を乗り越え、初のチャンピオンリングを手にすることができるか必見だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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