「彼らに嫉妬する」重鎮シャックが“自由にプレーする”現代ビッグマンにジェラシー「俺もスリーを打ちたかった」<DUNKSHOOT>

2000年代より以前のNBAにおいて、ビッグマンはゴール下に陣取り、フィジカルを活かしたパワープレーやリバウンド、豪快なブロックショットにダンクをお見舞いするのが主な役割だった。

しかし現在、そうしたビッグマンは絶滅危惧種となりつつある。今季MVPに輝いたデンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチを筆頭に、イン/アウトサイドの両方でプレーし、ハンドラーとしてドリブルやパスでゲームをコントロールしつつ、積極的に3ポイントも放つスキルフルなセンターやパワーフォワードが主流となっている。

そんな現代のビッグマンに対し、1990~2000年代に圧倒的なパワー&スピードでインサイドを支配したシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)はジェラシーを感じているようだ。怪物センターはドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がホストを務めるポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』に出演した際に、こう語っていた。
「彼ら(現代のビッグマン)にジェラシーを感じるね。俺も(アウトサイドに)一歩出てスリーを打ちたかった。なぜ俺が自分のことを“ブラック・ステフ・カリー”と呼ぶかわかるか?ジムに行ってスリーを195本外しても、1本決めれば俺は“ブラック・ステフ・カリー”なんだ。一歩出てスリーを決めると、めちゃくちゃ気持ちいいのさ。

羨ましいというより、自分のモチベーションを上げるために嫉妬しているんだ。自分もああいうプレーができたと思うからな。あの頃は、たまに俺がコースト・トゥ・コーストを決めたりすると、コーチに変な目で見られた。彼らはそれが許されているのさ」

確かに、シャックは216cm・147kgの巨体に似つかわしくないほどのスピードとスキルを兼ね備え、3ポイントこそ打たなかったが、自らディフェンシブ・リバウンドを奪ってそのままドリブルでコートを駆け上がり、豪快なダンクを叩き込むシーンもしばしば見られた。ただ、それは1990年代や2000年代当時、ビッグマンの仕事ではなかった。

もしシャックが、現代NBAでプレーしていたら——。トレンドに合わせたトレーニングに励み、インサイドとアウトサイドの両方でゲームを支配していたかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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