AMDがデスクトップ向けCPU「Ryzen 9000」シリーズ発表。7月より出荷開始

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AMDは、台北で開催のComputex 2024で “Zen 5アーキテクチャー” を採用するデスクトップ向けCPU「Ryzen 9000」シリーズ4製品を発表した。いずれも7月に出荷が開始される。

2022年9月に発売された「Ryzen 7000」シリーズの後継になる製品で、 Socket AM5採用のほかにPCIe 5.0やDDR5といった技術をサポートし、AMD Zen 4世代と比較してコアあたりの命令数(IPC)が最大16%向上しているという。

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Ryzen 9000シリーズは、6コア12スレッドの「Ryzen 5 9600X」から16コア32スレッドの 「Ryzen 9 9950X」まで4モデルを揃えている。コア数は前世代と変わらないものの、TSMCの4nmプロセスルールの採用によりTDPが30~40%低下している。

新たなフラッグシップとなるRyzen 9 9950Xは、Intelの “Raptor Lake Refreshアーキテクチャー” を採用する同等クラスのCPU「Core i9-14900K」に対し、ゲームでは平均11%、生産性アプリケーションなどでは21%高い性能を示し、今秋の投入が予定されている “Arrow Lakeアーキテクチャー” のCPU群がライバルになるとAMDは主張している。

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今回の発表では、Ryzen 9000とともに、Socket AM5対応の新チップセット「AMD X870E」と「AMD X870」も発表された。このチップセットは既存のRyzen 7000および8000シリーズとも互換性がある。AMDはSocket AM5のライフサイクルを当初2025年までとしていたが、これを2027年まで延長、それ以後もサポートを継続するとしている。

なお、既存のSocket AM4対応CPUのラインナップにも、2種類の新製品を発表されている。そのうち「Ryzen 9 5900XT」は前モデルと同じ価格設定ながら全モデルに4つのコアを追加した。これらのモデルは “Zen 3アーキテクチャー” を使用してSocket AM4プラットフォームに高いパフォーマンスを提供する。インテルのCPUは旧世代になると大きく割り引きされることが多いが、それら旧製品への対抗としての位置づけと言えそうだ。

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