サムスン、ついに折りたたみスマホ首位から陥落。新たな王者はファーウェイ

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サムスンは折りたたみスマートフォンを初めて世に送り出し、カテゴリーそのものを作り出した草分け的存在だ。それから数年にわたり折りたたみ市場のリーダーであり続けてきたが、ついに首位から陥落したとの調査データが発表された。

サムスンは折りたたみ市場で圧倒的なシェアを誇っていたが、それはGalaxyスマートフォン以外に折りたたみの選択肢がなかったことが主な理由である。

競合他社も製品を投入してきたものの、技術的に大きな後れを取っていた。2023年第1四半期の時点では、サムスンは全世界で63%のシェアを占めており、次点のファーウェイは14%に過ぎなかった

しかし、状況は一変した。調査会社Counterpointのレポートによると、2024年第1四半期におけるサムスンの全世界シェアはわずか23%に縮小し、ファーウェイが総出荷数の35%を占めて首位に躍り出た。

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折りたたみデバイス市場は前年同期比で50%近く成長しており、主に中国メーカー数社の出荷台数が大幅に増えた結果である。他の大手2つはモトローラ(中国レノボ傘下)の11%とHonor(米国の対ファーウェイ制裁を受けて独立)の12%。おそらくRazr+やMagic V2といった人気製品のおかげだろう。

かたやGalaxyの折りたたみデバイスは、前年同期比で42%ものマイナス。これはGalaxy Z Fold5とGalaxy Z Flip5ともに、小幅なマイナーチェンジに留まったためだろう。

前者は搭載プロセッサーが強化されたほかは、ヒンジの改良により折りたたみ時に薄くなった程度。そして後者は、外側のカバーディスプレイが大型化したほかは目ぼしい変更はなかった。

その間、ファーウェイやモトローラ、HonorやOPPOといった競合他社は、薄くて軽い・カメラの強化・折り目の軽減、そして破格の安さを実現。さらにファーウェイは、まもなく3つ折りスマホを投入するとの報道もあった

今回のレポートでは。Galaxy Z Fold5やPixel Fold、OnePlus Openのようなブック型(横折り)デバイスが総出荷台数の55%を占め、2021年以来初めてクラムシェル型(タテ折り)を上回ったことが興味深い。ユーザーが折りたたみデバイスに求める要素は、コンパクトさよりも画面の広さにシフトしつつあるのかもしれない。

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