新1万円&千円札の2人にゆかり 青森・十和田市がPR、市役所渡り廊下にラッピング

新紙幣発行30日前を祝い、ラッピングを施した十和田市役所の渡り廊下=3日午後2時ごろ

 青森県十和田市は、7月3日に発行される新紙幣の肖像画に市とゆかりのある経営者・渋沢栄一と伝染病研究者の北里柴三郎が選ばれたことを祝い、発行30日前の3日、市役所の本館と別館をつなぐ渡り廊下に祝賀ラッピングを施した。2人との関係を積極的にPRする方針で、今回を皮切りに11月まで12の記念事業を予定している。

 市ゆかりの人物が紙幣に採用されるのは、1984年発行の5千円札に選ばれた新渡戸稲造以来。新1万円札の渋沢は、三本木原開拓を進める開墾会社の経営難を救い「渋沢農場」を開設した。千円札の北里を学祖とする北里大は十和田キャンパスに獣医学部を置いている。この日、ラッピングのお披露目式が行われ小山田久市長と北舘康宏副市長、石橋義雄市議会議長と櫻田百合子副議長が除幕した。

 ラッピングは高さ約2メートル、横約20メートル。「祝 7月3日新紙幣発行」の文字とともに渋沢・北里の写真や経歴を掲げた。市役所別館に懸垂幕も掲げられた。

 小山田市長は「多くの市民に、2人の偉人との関わりを知ってもらえれば。子どもたちにも、先人の思いを受け継いで立派な人間になってほしい」と話した。

 市は来月6、7日に官庁街通りを歩行者天国としてステージイベントや新紙幣発行記念大売り出しなどを行う「円(まる)っとフェス」、13日には歴史作家の河合敦さんの講演会「お札で学ぶ日本の歴史」などを予定している。

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