福井市の第8次総合計画、進捗は 成果報告レポート、2023年度は40項目で達成

 福井県福井市は、市政運営の最上位計画にあたる第8次市総合計画(2022~26年度)について、進捗や成果を伝える報告書「総合計画レポート2023」をまとめた。4分野の64項目で年度ごとに数値目標を定めており、23年度は40項目で達成した。全体の達成度は63%で前年度より5ポイント上昇した一方、分野別でみると教育分野が20%に届かず、他分野に比べ苦戦が鮮明となった。

 同計画では▽社会基盤▽市民福祉▽産業▽教育―の4分野で14政策53施策を掲げ、さらに細分化した64項目で数値目標を設定している。分野別の達成度は社会基盤78.6%、市民福祉73.1%、産業61.5%、教育18.2%となった。

 政策別の達成度を見ると、「生活インフラ」(社会基盤分野)と「環境」(市民福祉分野)が全ての項目で目標を達成した一方、「学校教育」(教育分野)では6項目中、目標を達成したのはゼロだった。このほか「中心市街地」(社会基盤分野)や「観光」(産業分野)、「文化・歴史・自然」(教育分野)は33.3%となった。

 「学校教育」の施策「子どもの生きる力を伸ばす学校教育を充実する」の中では、将来の夢や目標を持っている児童の割合で数値目標を設定しており、23年度は90%を掲げた。全国学力・学習状況調査を基に算出した結果、実績値は82.5%となった。中学生では目標値77%に対し、実績値は66.8%だった。このほか、学校に行くのは楽しいと思う児童・生徒の割合や小中学校特別教室の空調設備整備率でも目標値を下回った。

 市の担当者は「高い目標設定にしていることもあり、達成できていない状況。『こどもまんなか社会』の実現に向け、教育だけでなく、分野を超えて対応していきたい」と話した。

 このほか、市内の18歳以上の男女2500人を対象に実施した23年度の市民意識調査結果も示しており、「これからも福井市に住み続けたいと思うか」の質問では「住み続けたい」が前年度比1.8ポイント増の85.2%となった。

 報告書は市ホームページで公表している。

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