新天地はドイツ時代の恩師が指揮するクリスタル・パレス入りがほぼ確定!? 専門メディアが鎌田大地の“プレミア成功可否”を独自ジャッジ!

日本人フットボーラーのプレミア移籍が、もはや秒読みだ。

セリエA・ラツィオ退団が決定的となっているサッカー日本代表MF鎌田大地のクリスタル・パレス加入が口頭合意に達したと、イタリアの敏腕記者ファブリツィオ・ロマーノ氏が自身のX(旧ツイッター)で伝え大きな反響を呼んでいる。

欧州サッカー界の移籍市場に精通している同氏によると、「クリスタル・パレスとの口頭合意が確認され、今週中にメディカルテストが予定されている。同クラブは、ダイチ・カマダがフリーエージェントで契約書にサインするのを待っているだけだ。オリバー・グラスナー監督はフランクフルトで彼と一緒に戦って以来、再びダイチを欲しがっていた」と報告。もはやプレミア移籍は、ほぼ正式確定したと断言している。

今シーズン途中からイゴール・トゥドール監督の就任以降、チームの中心として大きな存在感を発揮していた鎌田は先月まで、ラツィオ残留が濃厚とされていた。しかし急転直下、クラブとの契約延長交渉が難航して決裂。退団が現実味を帯びると、その直後からドイツ・ブンデスリーガ時代の恩師であるグラスナー監督が率いるクリスタル・パレスへの移籍が近づいていると噂されていた。

鎌田の去就は、欧州メディアのなかでも小さくない話題となっている。その中のひとつ、ドイツ専門メディア『OneFootball』は ロマーノ氏の投稿を引用したうえで、「クリスタル・パレス、ラツィオのダイチ・カマダを完全移籍で獲得へ」と題したトピック記事を配信。鎌田のドイツ時代の活躍を振り返るとともに、気になる起用法やプレミアリーグでの成功の可否について言及している。

「グラスナー監督の3-4-2-1フォーメーションでは、(鎌田は)中盤の深い位置で2トップを組むか、ストライカーの後ろに位置する攻撃的MFのひとりとしてプレーすることが多かった。彼はグラスナー監督の指揮のもと93試合に出場し、25得点、12アシストを記録した」

「27歳のカマダは、オーストリア人監督が率いていた2022年のヨーロッパリーグで優勝したフランクフルトの中核メンバーだった。彼は鋭いラインブレイクのパスでフォワードにパスを出したり、足元のボールでディフェンダーをかわしたり、あるいはライン間のスペースで自らパスを受けたりと、ピッチを縦横無尽に駆け抜け、優れたプレーで際立った存在感を示した」
記事では他にも、「カマダの知的で激しいプレスと尽きることのないエネルギーは、昨シーズン末からの好調を維持しようとするクリスタル・パレス(リーグ10位)の一員として、プレミアリーグの激しさへのスムーズな移行を可能にする」と指摘。初のプレミア挑戦だが、理解あるグラスナー監督を熟知する日本人が加入すれば戦術の幅が広がり、昨シーズン後半にリバプール(1-0)やマンチェスター・ユナイテッド(4-0)、アストン・ビラ(5-0)といった強豪を打ち破ったダイナミックなサッカーがさらに向上し、来シーズンの欧州リーグ(EL)出場圏内も狙えると力説している。

昨夏にフランクフルトとの契約満了後、1年契約でラツィオに移籍した鎌田。イタリアでの挑戦は、わずか1年で終止符を打つことになりそうだが、紆余曲折を経て新天地移籍へと足場は固まりつつあるようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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