中国とアラブ連盟加盟国間の貿易額、過去20年で約9倍に

中国とアラブ連盟加盟国間の貿易額、過去20年で約9倍に

アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの南部に、中国企業が建設を請け負ったアルダフラ太陽光発電所。(資料写真、ドローンから、アブダビ=新華社配信)

 【新華社北京6月4日】2024年は中国・アラブ諸国協力フォーラム設立20周年に当たる。中国税関総署が5月30日に発表したデータによると、中国とアラブ連盟加盟国間の23年のモノの貿易額は2兆8千億元(1元=約22円)に上り、04年(3038億1千万元)の約9.2倍に増加した。

 1~4月の貿易額は前年同期比3.8%増の9461億7千万元で過去最高を更新し、中国の貿易総額の6.9%を占めた。うち、輸出は14.5%増の4591億1千万元、輸入は4.7%減の4870億6千万元となった。

 貿易額上位6カ国をみると、アラブ首長国連邦(UAE)との貿易額は14.5%増、イラクは15.2%増、オマーンは10.0%増、カタールは4.6%増、エジプトは6.6%増、サウジアラビアは2.0%減と小幅に落ち込み、合わせて中国とアラブ連盟加盟国間の貿易額の84.8%を占めた。

 輸出の面では、アラブ連盟にとって中国は自動車と繊維・アパレル製品の最大輸入相手国となっており、1~4月の中国からアラブ連盟加盟国向け輸出は自動車が66.3%増、繊維・アパレル製品が3.2%増となった。 

 今年第1四半期(1~3月)のアラブ連盟自動車輸入市場に占める中国のシェアは約17.5%で、アラブ連盟の自動車輸入相手国として23年の第2位から第1位に躍進した。繊維・アパレル輸入市場でも23年に約49.6%のシェアで最大輸入相手国となったのに続き、1~3月も首位をキープした。

 輸入面では、中国にとってアラブ連盟はエネルギー製品の最大輸入相手となっており、1~4月に中国がアラブ連盟から輸入したエネルギー製品は4.4%減の3972億9千万元で、エネルギー製品の輸入全体の38.0%を占めた。 

 寧夏大学中国・アラブ国家研究院の李紹先(り・しょうせん)院長は「中国とアラブ諸国間の経済・貿易協力は相互補完性があるだけでなく、潜在力も大きい」とし、石油・ガスなどエネルギー面でアラブ諸国との協力が深まっているだけでなく、人工知能(AI)や第5世代移動通信システム(5G)などの分野における協力で実り多い成果を上げていると説明した。一部の湾岸諸国は月探査や宇宙探査などに強い関心を持っており、今後はエネルギーの転換や新エネルギー、ハイテクの発展に関する協力に大きな余地があるとの見解を示した。

© 新華社