遷宮向け観光WG設置へ 三重県議会、知事が表明

【提案説明で、ワーキンググループの設置を表明する一見知事=県議会議事堂で】

 一見勝之三重県知事は3日の県議会本会議で、伊勢神宮(伊勢市)の次期式年遷宮を見据え、県の魅力発信や観光誘客に向けた検討を進めるワーキンググループ(WG)を、来月上旬にも庁内に設けると表明した。

 県によると、WGは観光戦略や観光誘客などを担当する10人前後の職員で構成する想定。観光部に事務局を置く。他に関係する部局の職員も加わる見通し。来月上旬に初会合を開く。

 WGは式年遷宮による観光客の増加を想定し、宿泊施設の確保や改修を支援する方策などを検討する方針。観光業界の人手不足を解消するため、人材の確保や育成に向けた支援も協議する。

 式年遷宮に向けた効果的な観光誘客や「遷宮効果」を県全域に波及させる取り組みも検討する方針。県内各地に残る街道など、伊勢神宮に関連する文化や伝統を継承する方法も検討する。

 一見知事は本会議の提案説明で「伊勢神宮や式年遷宮を核に形成された地域の生活文化や伝統の価値を後世に伝えると共に、式年遷宮を契機として訪れる多くの皆さまを迎える」と語った。

 伊勢神宮は今年4月9日、天皇陛下から「第63回式年遷宮」の「御聴許」を受けたと発表した。ご神体を新殿に移す令和15年の「遷御」に向け、祭典や行事が執り行われる。

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