ジョコビッチ、2試合連続の4時間マッチを制して15年連続8強! フェデラーを抜いて歴代最多グランドスラムマッチ370勝[全仏オープン]

ジョコビッチ、絶体絶命のピンチから死闘制して15年連続8強

現地6月3日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス4回戦が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)は、第23シードのフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/同27位)を6-1、5-7、3-6、7-5、6-3で下し、15年連続の8強入りを果たした。

史上最多25度目のグランドスラム制覇を目指す37歳のジョコビッチ。今季5大会を戦い、いまだタイトルを手にすることなく今大会を迎えた。

1回戦でピエール・ユーグ・エルベール(フランス/同142位、2回戦でロベルト・カルバレス・バエナ(スペイン/同63位)をストレートで破ると、3回戦では4時間29分の死闘の末に7-5、6-7(6)、2-6、6-3、6-0でロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/同30位)を撃破。試合が終わったのは、深夜3時6分と同大会史上最も遅い時間というタフな戦いを強いられた。中1日空いて迎えた4回戦では、クレーコートを得意とするセルンドロが相手となった。

第1セットでは第3ゲームでのピンチでギアを入れて守り抜いたジョコビッチ。第4、第6ゲームをブレークに成功し流れを掴むと、セルンドロに挽回を許さずに6-1でセットを先取する。

続く第2セットでは右ヒザの治療でメディカル・タイムアウトを取ってマッサージを受けるジョコビッチ。セルンドロの攻撃的なフォアハンドに苦戦し、度々ピンチを招いてしまう。計7度のブレークポイントを防いだが、セット終盤の第12ゲームで15-40となると、1本しのいだがこのセット9度目のブレークポイントでミスが出て、5-7でセットを失った。

ラリー戦で簡単にポイントを奪わせてくれないセルンドロに対し、ミスが多いジョコビッチ。第3セットでは、第2セット序盤で痛めた右ヒザの影響か、ラリー戦を避けてネットプレーを増やす。しかし、爆発力のあるセルンドロに最初のサービスゲームをブレークされると、その後もドロップショットなどの厳しいショットを追えず。機を伺ったものの、チャンスは訪れず3-6とセットを連取された。

あとがなくなったジョコビッチ。セット間に痛み止めをもらい再びギアを上げてプレーするが、第5ゲームでブレークされて絶体絶命のピンチを迎える。だが、これまで幾度となく試練を乗り越えてきたジョコビッチは、第8ゲームでワンチャンスを生かしてブレークバック。流れを引き寄せて観客の声援を味方に勢いに乗ると、第12ゲームも破って7-5で取りきった。

2試合連続の4時間マッチとなったジョコビッチは、息を吹き返して最終セットも一気に畳みかけて第2ゲームでブレークする。セルンドロの粘り強さに第3ゲームでブレークバックを許したものの、ショットの精度がより一層上がると、4-3の第8ゲームで再びリード。5-3のサービング・フォー・ザ・マッチをきっちりキープして、4時間39分の死闘を制した。

この日の勝利によりグランドスラムマッチ勝利数で、ロジャー・フェデラー(スイス)を抜いて歴代最多370勝目を達成。全仏オープンでは、2010年から15年連続で8強入りを果たした。

フィジカルでタフな場面がありながらも勝利を手にしたジョコビッチは、準々決勝で昨年の決勝カードでもある第7シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同7位)と対戦する。

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