X(Twitter)、アダルトコンテンツ投稿許可を明示するポリシー変更を実施

6月3日、X(Twitter)はこれまで明確化されていなかったアダルトコンテンツの投稿を、そのポリシーで明示的に許可した。

新しいガイドラインにはアダルトコンテンツに関するページが置かれ「われわれは性的なものも含め、自身の信念、願望、経験を反映したコンテンツに関わり、作成する成人の自主性を信頼する」と記されており、ユーザーはこれまではグレーゾーンの扱いだったNSFWな投稿を自由に行えるようになっている。

Fortuneによれば、Xはこれまでアダルトコンテンツを明示的に許可していなかったが、X Premium(旧Twitter Blue)サブスクリプションを開始して以降、そのようなコンテンツは増加していたとのこと。現在、Xのサブスク層ではOnlyFansなどのサービスと同様にクリエイターがNSFWな内容のコンテンツを有料で提供し、収益化できるようなっているとのことだ。

なお、アダルトコンテンツの投稿者は、アカウントにその旨をラベルとして表示する必要がある。また今回の新しいガイドラインはAIが生成した動画や画像にも適用される。

イーロン・マスク氏が買収したTwitterはその後サービス名をXに変更し、Twitterの特徴だったシンプルな短文投稿SNSから、長文や長尺動画の投稿が可能になり、音声通話、クリエイター収益化、決済機能など、イーロン・マスク氏が言うところの「Everything App(なんでもアプリ)」化を目指した魔改造が施されつつある。

ただ、マスク氏による乱暴かつ気まぐれな組織改革やサービス内容の変更について行けない従業員やユーザーはこのSNSへの興味を失い、マスク氏の買収から1年後の2023年10月には、月間アクティブユーザーが15%減少、広告収入も54%減少したことが明らかにされていた。さらに、今年2月には月間ユーザー数は前年比で24%減とさらにユーザーの流出が進行したことが伝えられている。

なお、冒頭で紹介したXのアダルトコンテンツに関するガイドラインのページには「われわれは、成人向けコンテンツを見たくない子供や成人のユーザーに対しそのようなコンテンツへの露出を制限することで、この自由のバランスを取っている」と記されている。また、暴力的なコンテンツに関するルールにも同様のガイドラインがあるが、そこではコンテンツが「過度に残酷だったり、性的な暴力を描写するものは投稿できない」と主張している。書き換え忘れでないならば、明示的に暴力や脅迫、煽動を美化するようなコンテンツは引き続きこのSNSで禁止される。

とはいえ、現在のXは、収益化のために注目の投稿に群がるように意味のないコメントを付けてまわるアカウント、いわゆる「インプレゾンビ」が大量発生している。さらに、いかがわしい内容やトレンドワードの羅列を投稿してビューを稼ごうとするボットアカウントも相変わらず跋扈する状況であり、ユーザーエクスペリエンスの悪化を感じている人も多いと思われる状況だ。アダルトコンテンツの正式な許可は、規制当局からの厳しい監視を招く可能性もあるかもしれない。

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