5月の倒産件数6件…負債総額12億8500万円 件数、負債総額ともに前年同月を上回る 帝国データバンク富山支店調べ

富山県の5月倒産件数は6件、負債総額は12億8500万円で、件数・負債総額ともに前年同月を上回ったことが帝国データバンク富山支店の調べでわかりました。

帝国データバンク富山支店によりますと、5月の富山県内の企業倒産は1000万円以上の倒産が6件と、前の年の同じ月(3件)と前月(2件)ともに上回りました。

一方で負債総額は12億8500万円に上り、前の年の同じ月(5100万円)と前月(8億500万円)ともに上回りました。

倒産した企業は、建設業が3件、卸売業が1件、小売業が2件で、いずれも販売不振が原因で倒産しました。

負債総額別では5000万円未満が2件、5000万円以上1億円未満が1件、1億円以上5億円未満が2件、5億円以上10億円未満が1件となっており、大型倒産が負債総額を引き上げています。

帝国データバンク富山支店は、5月の倒産件数と負債総額ともに前年同月を上回ったことについて、負債総額については飲食店経営の(株)NSの特別清算(負債総額6億4000万円)が全体の金額を押し上げたとみています。

また、2023年7月以降のゼロゼロ融資の返済開始が本格化する中、倒産件数が大幅な増加に転じていない要因として、新型コロナウイルス感染症関連の富山県制度融資「ビヨンドコロナ応援資金」(2024年3月31日取扱終了)による借り換え効果があるとしています。

そして、信用保証協会による代位弁済件数が急増する中で、物価高や深刻な人手不足、賃上げなど企業を取り巻く環境は厳しさを増しているとしてます。。

こうしたことから帝国データバンク富山支店は、引き続き資金繰り破綻の瀬戸際にある「倒産予備軍」と呼ばれる企業が相当数あり、乱高下する為替相場やエネルギーコスト負担増などにより企業業績が左右され、さらに物価上昇などの価格転嫁が遅れることになれば倒産件数が増加ベースになるのではないかと予想しています。

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