約99万円を3回にわたり他人口座に 定額減税の還付金名目で詐欺被害 島根県松江市の60代女性

 松江署は4日、6月から実施される定額減税の還付金名目で、松江市内の60代女性が現金約297万円をだまし取られる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。島根県警によると、定額減税に便乗した被害届は県内初という。同様の被害相談は5月ごろからあり、県警が注意を呼びかけている。

 松江署によると5月24日、松江税務署の職員を名乗る男が「定額減税の手続きの書類が届いているか」「納税超過の還付がある」と女性宅に電話。還付手続きに必要な番号をメモするよう女性に伝えた。

 続いて金融機関の職員を名乗る男が「近くのキャッシュコーナーで返納支払いの書類作成ができる」と電話。女性はATMでキャッシュカードを挿入し、事前に伝えられた番号を入力。翌25日までの間に計3回、複数のカードを挿入した。

 男に「月曜日に還付金が振り込まれる。月曜日より前にカードや通帳を使うと手続きがブロックされるので使わないように」と言われ、指示通りに週明けの27日に通帳を確認すると還付金は入金されておらず、他人口座に3回にわたって99万2174円ずつ振り込んでいることに気付いた。

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